日本教育心理学会第57回総会

講演情報

ポスター発表

ポスター発表 PB

2015年8月26日(水) 13:30 〜 15:30 メインホールA (2階)

[PB072] 幼児期の社会性発達に関する研究6

「気になる」子どもの年齢別特徴

本郷一夫1, 飯島典子2, 小泉嘉子3, 高橋千枝4, 平川久美子5, 神谷哲司6 (1.東北大学, 2.聖和学園短期大学, 3.尚絅学院大学, 4.鳥取大学, 5.石巻専修大学, 6.東北大学)

キーワード:「気になる」子ども, 社会性発達, 保育所

【問題と目的】
本研究は,保育・教育場面における社会性発達のアセスメント・スケールの開発を目的とした一連の研究の一部である。これまで,社会性発達の5領域(「集団活動」「子ども同士の関係」「認識」「言語」「感情」)における発達の特徴について報告をしてきた。本報告では,「気になる」子どもの年齢別特徴を明らかにすることを目的とする。
【方 法】
1.対象児:1歳児84名,2歳児346名,3歳児301名,4歳児314名,5歳児380名,6歳児242名,計1667名の乳幼児に関するデータを得た。そのうち,本報告では,日常生活で「気になる」特徴があると感じられる子どもを対象とした。
2.調査期間:2013年11月~2014年2月。3.手続き:保育所に「子どもの社会性発達チェックリスト」を配布し,各クラスの担任保育士1名に子どもの発達状況をチェックしてもらった。
4.チェックリストの構成: 「気になる子どもの行動」14項目。これらの項目は「気になる」「やや気になる」「気にならない」の3段階でチェックされた。
【結果と考察】
1.年齢による「気になる」得点の変化: 2歳児50名(男30,女20),3歳児58名(男41,女17),4歳児59名(男46,女13),5歳児69名(男59,女10),6歳児32名(男24,女8)の計268名を対象とした。図1には,年齢別の「気になる」得点が示されている。ここから,4歳児において「気になる」得点が最も高いことがわかる。
2.年齢別の行動特徴: 表1には,項目別の得点が示されている。ここから,4歳児において最も得点が高くなる項目が7項目と多いものの,「気になる」得点が全体的に低い6歳児においても4項目が最も高くなっていた。