[PD047] 教育相談定着化に向けた担当者の影響方略と校長のリーダーシップとの関連性Ⅰ
キーワード:教育相談の定着化, リーダーシップ, 影響方略
【問 題】
西山(2010)は,教育相談を安定して,経年的に人的資源に依存せず実施するために学校システムに教育相談を定着化させる必要性を指摘している。西山・淵上・迫田(2009)は,校長の変革的リーダーシップが教育相談体制の構築と担当者の力量形成,配慮的リーダーシップが教師集団の協働的風土形成を促す事を示し,教育相談体制と協働的風土の形成によって教育相談の定着化が促進される可能性を見出し,スクールリーダーとしての校長の役割の重要性を指摘した。
しかし,教育相談の定着化に向けて教育相談の担当者(担当者)が担うべき役割は,実証的にほとんど検討されていない。そこで本研究では,担当者が校長とどのように相互交流しながら学校システムの中に教育相談を安定化させていくかについて検討する。
研究Ⅰ 担当者が,校長に向けて実施する影響方略の構造を検討する
研究Ⅱ 担当者による影響方略と,校長の影響方略認知との関連について検討する
研究Ⅲ 担当者による影響方略と,校長のリーダーシップが,教育相談の定着化に及ぼす影響について検討する。
【方 法】
質問紙調査の実施
調査対象者 2014年10月,中学校教員に対し調査を実施し,151校の校長/担当者298名(校長151名,担当者147名)から回答を得た。
調査項目 ①性別,校種,勤務校の規模,教職歴,教育相談担当歴,過去に経験した分掌等のフェイスシート項目,②勤務校の教育相談活動の定着化,③一般的な担当者に求められる役割認識,④学校の風土,⑤担当者の力量に関わる評価(自己評価/校長からの評価),⑥校長の協働体制づくりに関するリーダーシップ(担当者からの評価/校長による自己評価),⑦回答者の影響方略に対する校長の対応(担当者からの評価/校長による自己評価),⑧回答者が教育相談に関わる領域で使用する影響方略(自己評価/校長からの評価)に関し5件法により回答を求めた。
【分析・結果】
影響方略の因子分析 校長/担当者ごとの探索的因子分析(最尤法)を行った。適合指標の値,対角SMC平行分析,MACの値,得られたパターン行列(プロマックス回転)の解釈妥当性に基づき総合的に検討した結果,担当者の影響方略使用認知は6因子,校長による影響方略使用認知は5因子による解釈が妥当であると判断した。
記述統計量 担当者,校長の影響方略得点について,記述統計量をTable 1に示す。
クラスター分析 担当者の影響方略使用傾向について,変数ごとに標準化した得点を基にした平方ユークリッド距離に基づく階層的クラスター分析(ウォード法)を実施した。結果についてFigure 1に示す。
本研究は,JSPS科研費(24530827)の助成を受けたものである。
西山(2010)は,教育相談を安定して,経年的に人的資源に依存せず実施するために学校システムに教育相談を定着化させる必要性を指摘している。西山・淵上・迫田(2009)は,校長の変革的リーダーシップが教育相談体制の構築と担当者の力量形成,配慮的リーダーシップが教師集団の協働的風土形成を促す事を示し,教育相談体制と協働的風土の形成によって教育相談の定着化が促進される可能性を見出し,スクールリーダーとしての校長の役割の重要性を指摘した。
しかし,教育相談の定着化に向けて教育相談の担当者(担当者)が担うべき役割は,実証的にほとんど検討されていない。そこで本研究では,担当者が校長とどのように相互交流しながら学校システムの中に教育相談を安定化させていくかについて検討する。
研究Ⅰ 担当者が,校長に向けて実施する影響方略の構造を検討する
研究Ⅱ 担当者による影響方略と,校長の影響方略認知との関連について検討する
研究Ⅲ 担当者による影響方略と,校長のリーダーシップが,教育相談の定着化に及ぼす影響について検討する。
【方 法】
質問紙調査の実施
調査対象者 2014年10月,中学校教員に対し調査を実施し,151校の校長/担当者298名(校長151名,担当者147名)から回答を得た。
調査項目 ①性別,校種,勤務校の規模,教職歴,教育相談担当歴,過去に経験した分掌等のフェイスシート項目,②勤務校の教育相談活動の定着化,③一般的な担当者に求められる役割認識,④学校の風土,⑤担当者の力量に関わる評価(自己評価/校長からの評価),⑥校長の協働体制づくりに関するリーダーシップ(担当者からの評価/校長による自己評価),⑦回答者の影響方略に対する校長の対応(担当者からの評価/校長による自己評価),⑧回答者が教育相談に関わる領域で使用する影響方略(自己評価/校長からの評価)に関し5件法により回答を求めた。
【分析・結果】
影響方略の因子分析 校長/担当者ごとの探索的因子分析(最尤法)を行った。適合指標の値,対角SMC平行分析,MACの値,得られたパターン行列(プロマックス回転)の解釈妥当性に基づき総合的に検討した結果,担当者の影響方略使用認知は6因子,校長による影響方略使用認知は5因子による解釈が妥当であると判断した。
記述統計量 担当者,校長の影響方略得点について,記述統計量をTable 1に示す。
クラスター分析 担当者の影響方略使用傾向について,変数ごとに標準化した得点を基にした平方ユークリッド距離に基づく階層的クラスター分析(ウォード法)を実施した。結果についてFigure 1に示す。
本研究は,JSPS科研費(24530827)の助成を受けたものである。