[PB40] 大学生の子どもイメージの変化の検討
小学生向けのデザインワークショップを通じて
キーワード:子どもイメージ, ワークショップ, 大学生
問 題
近年,アクティブラーニングの推進などで,大学の講義においても,地域と連携した問題解決的な授業の必要性が高まっている。その中で,大学生が地域の子どもたちと接する機会が増えていると言える。本研究では,大学が実施する子ども向けのワークショップにファシリテーターとして参加した大学生を対象に,子どもと触れ合う経験の中で,子どもに対するイメージがどのように変化するのかについて調査した。
方 法
調査対象者
デザイン学部の1年生~4年生10名が参加した。
手続き
これらの学生は,地域の市民センターで行う,小学生向けのデザインワークショップにファシリテーターとして参加した。10月に事前指導が実施され,そこでワークショップの内容,小学生と接する心構えなどについての講義を受けた後,学生同士で実際にワークショップの内容を体験した。その後,11月と12月に異なる市民センターでワークショップを行った。今回は,この11月に行ったワークショップについて,実施前と実施後に子どものイメージに関するアンケートを行い,その結果を比較した。
ワークショップの内容は,小学生が2人1組となり,カードでひいた言葉から思いつく動物を2人で作成し発表するというものであり,大学生はその組に1名ずつ入り,2人の話し合いや工作,発表をサポートするという役目を担った。ワークショップの所要時間は3時間であった。
調査内容
子どもに対するイメージとして,25項目について5段階で評定を求めた。また,ワークショップ後のアンケートでは同様の評定を行った後,今日の課題がうまくできたか,反省・改善点があるか,感想を自由回答で書いてもらった。25項目の内容は,元気である,ひとりひとり発達が異なる,落ち着きがない,弱い,明るく伸び伸びしている,感性が豊かである,さわがしい,単純である,不公平なことに敏感である,創造力がある,こちらの意志を理解しない,自己中心的な行動をする,かわいい,ものの見方が狭い,何を考えているかわからない,大人が教えなければ何もできない,素直である,大人を小さくしたものではない,乱暴である,根気がない,純粋である,無限の可能性を持っている,行動の予測ができない,すぐ甘える,思ったことをはっきり言う,であった。
結果と考察
25項目の評定について全くそうではないを1点,あまりそうではないを2点,どちらでもないを3点,ややそうだを4点,かなりそうだを5点とし,それぞれの項目のワークショップ前,後の平均値について,対応のあるt検定を行った(Table 1)。
その結果,「さわがしい」,「創造力がある」,「自己中心的な行動をする」の項目で事前より事後の方が評定が低く,「明るく伸び伸びしている」の項目で事前より事後の方が評定が高くなっていた。
これらの結果から,小学生とのワークショップによるふれあいの結果,大学生の子どものイメージとして,さわがしい,自己中心的な行動をするといったネガティブなイメージが減少し,明るく伸び伸びしているといったポジティブなイメージが増加したと言える。また,創造力があるわけではないというような現実的なとらえ方もみられた。
近年,アクティブラーニングの推進などで,大学の講義においても,地域と連携した問題解決的な授業の必要性が高まっている。その中で,大学生が地域の子どもたちと接する機会が増えていると言える。本研究では,大学が実施する子ども向けのワークショップにファシリテーターとして参加した大学生を対象に,子どもと触れ合う経験の中で,子どもに対するイメージがどのように変化するのかについて調査した。
方 法
調査対象者
デザイン学部の1年生~4年生10名が参加した。
手続き
これらの学生は,地域の市民センターで行う,小学生向けのデザインワークショップにファシリテーターとして参加した。10月に事前指導が実施され,そこでワークショップの内容,小学生と接する心構えなどについての講義を受けた後,学生同士で実際にワークショップの内容を体験した。その後,11月と12月に異なる市民センターでワークショップを行った。今回は,この11月に行ったワークショップについて,実施前と実施後に子どものイメージに関するアンケートを行い,その結果を比較した。
ワークショップの内容は,小学生が2人1組となり,カードでひいた言葉から思いつく動物を2人で作成し発表するというものであり,大学生はその組に1名ずつ入り,2人の話し合いや工作,発表をサポートするという役目を担った。ワークショップの所要時間は3時間であった。
調査内容
子どもに対するイメージとして,25項目について5段階で評定を求めた。また,ワークショップ後のアンケートでは同様の評定を行った後,今日の課題がうまくできたか,反省・改善点があるか,感想を自由回答で書いてもらった。25項目の内容は,元気である,ひとりひとり発達が異なる,落ち着きがない,弱い,明るく伸び伸びしている,感性が豊かである,さわがしい,単純である,不公平なことに敏感である,創造力がある,こちらの意志を理解しない,自己中心的な行動をする,かわいい,ものの見方が狭い,何を考えているかわからない,大人が教えなければ何もできない,素直である,大人を小さくしたものではない,乱暴である,根気がない,純粋である,無限の可能性を持っている,行動の予測ができない,すぐ甘える,思ったことをはっきり言う,であった。
結果と考察
25項目の評定について全くそうではないを1点,あまりそうではないを2点,どちらでもないを3点,ややそうだを4点,かなりそうだを5点とし,それぞれの項目のワークショップ前,後の平均値について,対応のあるt検定を行った(Table 1)。
その結果,「さわがしい」,「創造力がある」,「自己中心的な行動をする」の項目で事前より事後の方が評定が低く,「明るく伸び伸びしている」の項目で事前より事後の方が評定が高くなっていた。
これらの結果から,小学生とのワークショップによるふれあいの結果,大学生の子どものイメージとして,さわがしい,自己中心的な行動をするといったネガティブなイメージが減少し,明るく伸び伸びしているといったポジティブなイメージが増加したと言える。また,創造力があるわけではないというような現実的なとらえ方もみられた。