[PH29] 文医融合学部に所属する大学生の進学動機
Keywords:内的期待, 専門性, 大学1年生
わが国の高等学校卒業者の大学進学率は49.6%となり(文部科学省, 2017),大学全入時代となっている。この背景にともない,各大学は学部の新設・改組やカリキュラム改革等を行うとともに,どのような人材を育てていくのかを明示し,大学間で差別化を図ることが喫緊の課題といえる。
差別化の一つとして「文医融合」により,文系学部でありながら医学の専門家から教授を受け,その専門性を身に着けられるという本学部の例がある。しかし,実際に本学に進学した学生がこのような特色に魅力を感じ,学習したいと感じているのかどうかの動機は明らかになっていない。
大学進学動機を明らかにすることは,大学へのコミットメントとにもつながり(松田ほか,2014),大学適応(中村ほか,2016)や学業成績とも関連があることが分かっている(渕上, 1984)。そこで本研究ではまず,本学部への進学動機の特徴を明らかにすることを目的とする。進学動機が明らかになることで,動機につながる大学生活を過ごせているかも明らかになっていくと考えられる。
方 法
調査対象
保育者養成系学科所属の1年生51名,体育教員やアスレチックトレーナー等を養成する学科所属の1年生82人。
手続き
「進学動機」 (松田ほか, 2014) や「進路決定方略」(栗山ほか, 2001) ,「大学への進学動機」(中村ほか, 2016)を参考に,本学部進学者にあわせた進学動機・期待項目33項目を作成した。「全くそう思わない」から「とてもそう思う」までの5段階で評定させた。
結 果
各項目について,4因子構造を仮定した最尤法・プロマックス回転による因子分析を行った。各因子に対する負荷量が.35以下の項目および複数の因子に高い因子負荷量を持つ項目を除外したものを最終的な因子パターンとした。
各因子に含まれる項目および信頼性係数,因子間の相関,削除された項目をTable 1に示した。
考 察
因子分析の結果,進学動機に関しては,知的好奇心を満たしたい,学部の特徴である医学部の専門知識を身に着けたいといった内的期待,社会的地位や就職後の収入に対する外的期待,特に明確な目的がない無目的,専門知識や資格に関わる専門性に関する動機が見いだされた。また,各因子の平均値を算出した結果,専門性(4.27)と内的期待(3.45)の得点が高かったことから,知的好奇心や資格を取りたいといった明確な目標を持ち進学してきていることが示唆された。
差別化の一つとして「文医融合」により,文系学部でありながら医学の専門家から教授を受け,その専門性を身に着けられるという本学部の例がある。しかし,実際に本学に進学した学生がこのような特色に魅力を感じ,学習したいと感じているのかどうかの動機は明らかになっていない。
大学進学動機を明らかにすることは,大学へのコミットメントとにもつながり(松田ほか,2014),大学適応(中村ほか,2016)や学業成績とも関連があることが分かっている(渕上, 1984)。そこで本研究ではまず,本学部への進学動機の特徴を明らかにすることを目的とする。進学動機が明らかになることで,動機につながる大学生活を過ごせているかも明らかになっていくと考えられる。
方 法
調査対象
保育者養成系学科所属の1年生51名,体育教員やアスレチックトレーナー等を養成する学科所属の1年生82人。
手続き
「進学動機」 (松田ほか, 2014) や「進路決定方略」(栗山ほか, 2001) ,「大学への進学動機」(中村ほか, 2016)を参考に,本学部進学者にあわせた進学動機・期待項目33項目を作成した。「全くそう思わない」から「とてもそう思う」までの5段階で評定させた。
結 果
各項目について,4因子構造を仮定した最尤法・プロマックス回転による因子分析を行った。各因子に対する負荷量が.35以下の項目および複数の因子に高い因子負荷量を持つ項目を除外したものを最終的な因子パターンとした。
各因子に含まれる項目および信頼性係数,因子間の相関,削除された項目をTable 1に示した。
考 察
因子分析の結果,進学動機に関しては,知的好奇心を満たしたい,学部の特徴である医学部の専門知識を身に着けたいといった内的期待,社会的地位や就職後の収入に対する外的期待,特に明確な目的がない無目的,専門知識や資格に関わる専門性に関する動機が見いだされた。また,各因子の平均値を算出した結果,専門性(4.27)と内的期待(3.45)の得点が高かったことから,知的好奇心や資格を取りたいといった明確な目標を持ち進学してきていることが示唆された。