[P057] 中学生における失敗観プロフィールの検討
キーワード:失敗、信念、学習方略
複雑に変化し続ける社会のなか,子どもは多くの失敗を経験する。本研究では,西村他 (2017) による失敗観尺度に基づき,中学生の失敗観プロフィールの検討を行った。中学生280名が調査に参加した。失敗観の2つの尺度得点に関するクラスター分析の結果,4クラスターが抽出された。脅威性の認知が高い群を「失敗回避群」,脅威性の認知が低く活用可能性の認知が高い群を「生産的失敗群」,いずれの得点もおよそ平均である群を「平均群」,いずれの得点も低い群を「失敗観低群」と命名した。分散分析の結果,行動的エンゲージメント,メタ認知的方略,友人充実感について,失敗観低群の得点が他の群より低かった。自律的援助要請について,生産的失敗群の得点が失敗回避群・失敗観低群よりも高かった。社会的有能感について,生産的失敗群の得点が失敗回避群より高かった。これらの分析の結果を踏まえ,各群に該当する生徒の特徴について考察した。