[P059] 積み上げ学習に伴う理解度自己判定の変化
キーワード:自己判定、理解度、積み上げ
教育状況把握や自己モニタリング促進のために学習到達度を設定して学生が多段階回答することがある。本報告では回答における意識の反映や学修状況との関連について検討を進めた。東海地区の大学生が2010~19年度に英語,社会学,コンピュータプログラミング入門,同初級に参加した。理解度自己判定の変化は客観的成果値にほぼ比例して,判断の妥当性と進行に伴う効力感との適合化が観られた。プログラミングでは,既習事項でも初習の記法と結び付けて憶えること,新しい概念区分があること,それが次の事項の学習に必要であることが負荷となる一方で,正しい遂行が外的参照となり,達成充足が得られるという積み上げ式学習の特性が表出しており,理解効力感に結び付きやすい。積み上げ特性が弱い科目では,モニタリングや効力感などメタ認知を活性化するには,目標の明確化に加えて到達レベルのいっそうの具体化・明瞭化の必要があると考えられる。