[P236] 高等学校における教育相談の効果的実践に関する考察
初回面接時,UPIを用いた構造化面接の試みを中心として
キーワード:教育相談、UPI、構造化面接
1960年代から本邦学生相談では,UPI(University Personality Inventory:大学精神保健調査票)を用い,学生の身体的・精神的健康向上に活用してきた。60項目からなる二件法による質問紙法の調査票で,様々な分析方法等が研究されてきた。中でも「7領域の症状別得点算出方法」について,面接に用いる際に一瞥しただけで学生の心的問題の概略を知って面接の切り口を見つけるのに効果的である(山田,1975)とする指摘がある(7領域とは,「心気症的症状」「自律神経症状」「抑うつ傾向」「劣等感」「強迫傾向」「被害・関係的症状」「ライ・スケール」)が,これに記述欄「相談したいことはどのようなことですか?」を加えた面接シートを作成し,高等学校における教育相談の初回面接時に用い,相談者の主訴等を容易に明確化できないか。本稿では大学生におけるUPI得点の平均値が17.9ポイント(平山他,2011)とされていることを根拠に健常域か否かを見極める等,構造化面接の構築に基づく効果的実践に関する考察である。