[P334] 高校生のソーシャルスキルをイラストで測るIBSSTの妥当性検証
キーワード:21世紀型スキル、高校生、ソーシャルスキル
本研究では,酒井・澤海・関森・相川(2019)が収集した「Illustration-Based Social Skills Test」(以下,IBSSTと表記する)のデータ(高校1年生412名,Mage=15.81,SD=0.40)を,多次元項目反応理論による探索的因子分析によって再分析し,IBSSTの因子を探索的に検討した。加えて,新たに収集した高校1年生412名(Mage=15.86,SD=0.35)のデータからIBSSTの基準関連妥当性を検討した。その結果,IBSSTの因子は,「自分の思いを表現するスキル」「主体的に関与するスキル」「協調して支援するスキル」「自分の気持ちを整理するスキル」の4因子で解釈できることが明らかになった。IBSSTの基準関連妥当性に関して,「自分の思いを表現するスキル」「主体的に関与するスキル」「協調して支援するスキル」は,「異質拒否傾向」「被侵害・不適応」との間に負の相関を示し,「承認・満足」との間に正の相関を示した。「自分の気持ちを整理するスキル」は「被異質視不安」との間に正の相関を示した。以上の結果から,IBSSTの各スキルについて議論した。