[P336] 教員養成のための教育心理学の教科書は学校評価をどう扱っているのか
キーワード:学校評価、教育心理学の教科書、教育評価
2007年の学校教育法等の改正により各学校では学校評価を行うことが義務づけられたが,教育評価を一分野としてきた教育心理学は学校評価をどう扱っているのだろうか。本研究は学校評価に関する記述のある教育心理学の教科書の数と,その記述の仕方を調べた。2008年から2019年の間に出版された教育心理学の教科書63冊を調査対象とした。学校評価に関する記述のある教科書は5冊で,そのうち3冊は概念を説明し,2冊は法令や『学校評価ガイドライン』に基づいて説明していた。5冊のほかには,図や補足説明でふれているものが3冊,学校評価の語なしに実質的に学校評価の説明をしている教科書が1冊あった。教育評価または評価の定義がある教科書36冊中13冊の定義が学校評価を内包していた。学校評価に関する記述のある教科書は非常に少ないため,学生は教科書で学校評価について知る機会が少ないだろうし,また大学教員は授業で学校評価についてふれにくいだろう。