一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題ポスター

教育

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2018年6月23日(土) 09:30 〜 15:30 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-085] 本学3年生における介護技術実習の取り組み

○櫻木 加奈1、赤泊 圭太1、吉岡 裕雄1、田中 康貴1、後藤 由和1、川谷 久子1、圓山 優子1、白野 美和1、両角 裕子2、黒川 裕臣3 (1. 日本歯科大学新潟病院訪問歯科口腔ケア科、2. 日本歯科大学新潟生命歯学部歯周病学講座、3. 日本歯科大学新潟病院総合診療科)

【緒言】
 要介護高齢者の増加に伴い,歯学部学生教育においても高齢者の特性を理解したうえで訪問歯科診療や口腔機能管理に取り組むことのできる人材の育成が必要とされる。本学では平成22年度より5年次臨床実習において訪問歯科診療への参加を必修としており,これに先立ち行う3年次早期臨床実習においては「介護技術実習」を実施している。今回,3年次早期臨床実習の概要について報告するとともに,平成28年度に行った実習内容改変の前後での学生アンケート結果の比較から,今後の実習内容について考察を加えたので報告する。
【対象と方法】
 対象は介護技術実習を受講した平成27年度の3年生88名,平成29年度の3年生64名である。実習回数は1回,実習時間は90分で,実習内容は,改変前は口腔衛生管理に関する講義,ベッドを用いた体位交換,車椅子の相互実習のみだったが,平成28年度の改変で,摂食嚥下障害の講義と高齢者シミュレーター マナボット(MANABOT® 株式会社ニッシン)を用いた口腔衛生管理の実習を追加した。実習後のアンケートは自由記載とし,平成27年度と平成29年度のアンケート結果を比較した。
【結果と考察】
 アンケート結果のうち,「ほかにどのような実習を希望しますか」について,改変前は今回の実習以外の「介護技術の習得」を希望する者が45%を占め,次いで「口腔ケアの実践」が27%だったのに対し,改変後では「口腔ケアの実践」が34%,「介護技術の習得」が33%となり,実際に口腔ケアの手技を実践したい者の割合が増加していた。さらに,「訪問歯科診療への参加」と回答した者は3%から14%に増加し,訪問歯科診療への関心が高まっていることが示唆された。