一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

優秀ポスター

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地域歯科医療部門

2018年6月22日(金) 10:00 〜 17:00 ポスター会場(5F講習室3) (5F 講習室3)

[優秀P地域-5] 鳥取県後期高齢者歯科健診受診者の口腔機能低下の実態と関連因子の検討

○國竹 洋輔1、遠藤 茂雄1、隅田 秀樹1、足立 融1、渡邊 裕2、金田 恒3、小野 高裕3 (1. 鳥取県歯科医師会、2. 東京都健康長寿医療センター研究所、3. 新潟大学大学院医歯学総合研究科包括歯科補綴学分野)

【目的】
 口腔機能低下による嚥下性肺炎等予防の観点から,都道府県後期高齢者医療広域連合と市町村,歯科医師会等の連携のもと,後期高齢者歯科健診が開始された。鳥取県歯科医師会では平成28年度より後期高齢者医療広域連合からの委託を受け,全県域で後期高齢者歯科健診を開始した。全県域での効果的,効率的な実施を図り,受診啓発に努めている。そこで本報告では,後期高齢者の口腔機能低下の実態把握を目的に平成28年度の健診データを分析した。
【対象と方法】
 高齢者歯科口腔健診票を参考に口腔機能評価に重点をおいた健診票を作成し,県内を東西ブロックに分けて口腔機能評価に関する研修会を実施した。そして地域包括,市町村の広報などを活用して口腔機能健診を周知し,受診勧奨を行った。平成28年度に健診を受診した者を対象とした。
【結果と考察】
 地域別の受診率に偏りがみられたが,対象後期高齢者の1%にあたる1,007名(平均年齢80.0±4.2,男性43.1%)が受診した。結果,肺炎の既往がある者は8.3%,BMI 21.0未満の者は28.3%,硬いものが食べにくいと回答した者は31.4%,現在歯数は17.4±9.1本,中等度以上の歯周病がある者は55.7%,咀嚼機能低下者は28.2%,飯島らの定義に準じたオーラルフレイル該当者は56.6%であった。現在歯数の平均は全国平均とほぼ同等であったが,オーラルフレイル該当者は半数以上で,口腔機能低下者および中等度以上の歯周病を有する者の割合は多く,低栄養者,肺炎の既往がある者も多いことから,今後後期高齢者歯科健診において,口腔機能低下と関連する低栄養,肺炎発症等について縦断的に検討し対応していく必要があると考えられた。