一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

認定医審査ポスター

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認定医審査ポスター

2018年6月21日(木) 12:30 〜 16:00 ポスター会場 (7F イベントホール)

[認定P-13] 在宅療養が困難となっていた誤嚥性肺炎を繰り返す患者に対し多職種で連携し在宅療養が可能となった一症例

○後藤 拓朗1 (1. 三豊総合病院)

【目的】
 摂食嚥下障害患者は度重なる誤嚥や低栄養,廃用の進行などにより誤嚥性肺炎を発症してしまう。またそれを繰り返していると在宅療養を継続することが徐々に困難となってしまう。今回そのような経過に至った患者に対して多職種にて介入を行い,安定した在宅療養を行うことが出来たので報告する。
【症例および処置】
 症例は2013年9月に当院に誤嚥性肺炎で入院となった脳出血後遺症の83歳男性である。頑固な性格もあり十分な摂食嚥下障害に対する指導を受けれていなかったため誤嚥性肺炎による入退院を繰り返していた。嚥下造影検査・嚥下内視鏡検査など嚥下機能評価を行い,舌機能低下及び喉頭感覚低下による唾液誤嚥及び水分の不顕性誤嚥,食事姿勢の崩れを認めた。そのため舌に対しては可動域訓練及び負荷訓練,唾液誤嚥に対しては口腔ケア,食事形態は嚥下調整食1j,水分は中間のとろみ,食事時の姿勢調整の指導を行った。経過良好で食事形態は嚥下調整食4となり自宅退院となった。
 引き続き訪問診療及び口腔ケアを行い,水分のとろみや食事時の姿勢調整など摂食嚥下障害の指導を担当者会にて家族やケアマネジャー,デイサービススタッフなど在宅療養での食事にかかわる関係者に行った。
【結果と考察】
 途中2度の短期入院をはさみ2年1か月の在宅療養を継続できたが,転倒し大腿骨転子部骨折を起こしたのを契機に姿勢調整困難及び唾液による誤嚥性肺炎を繰り返し転院後死亡した。
 脳血管疾患患者は誤嚥性肺炎を繰り返し徐々に機能低下・免疫低下することにより,入退院の頻度が多くなってくる。しかし必要な摂食機能療法・口腔ケアを組み合わせ,またそれを関係者と情報共有することによって在宅療養を継続することが出来た。