[O2-21] ミールラウンドの可視化により情報共有した食支援の1例
―食事観察サポートソフト「い~とみる」使用経験―
【目的】
高齢者施設では、経口摂取が困難となった利用者に対して胃瘻栄養の選択について家族と協議することが多い。その際、利用者の経口摂取レベルについて、わかりやすく家族に説明することが重要である。また、施設の多職種間で食支援に関する情報共有は不可欠である。今回、胃瘻造設を拒否された利用者に対して最期まで経口摂取を支援するため、食事観察サポートソフト「い~とみる」によりミールラウンドを可視化し、情報共有した食支援の1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
86歳女性(特別養護老人ホーム入所中)。生活全般において介助が必要(要介護3)。既往歴:左放線冠梗塞、左皮質下出血、右大腿骨転子部骨折。現病歴:右大腿骨転子部骨折にて近在病院で加療後、退院してから無表情で発話が消失した。食事は手づかみ食べで自己摂取困難な状態と判断された。ミールラウンドでは「い~とみる」を使用し、利用者の経口摂取機能を「全身機能・認知機能・口腔機能・咽頭機能・姿勢」の5項目で評価し、食支援に取り組んだ。
【結果と考察】
ミールラウンドごとに「い~とみる」より得られた現状評価と対応策を参考に食支援計画を検討した。その結果、食事中に嚥下しづらい様子やむせが見られた場合はリクライニングで対応すること、および食事形態を変更することにより摂取量や食事時間が安定した。食支援介入102日目に肺炎を発症したが、摂取状況を可視化しているため経時的変化が把握しやすく、状態の変化を支援スタッフで共有できた。食支援計画の再考時期の判断にも有用であった。今後、本ソフトが利用者のミールラウンドの経時的な記録化や家族・職員間の情報共有に期待できる。
高齢者施設では、経口摂取が困難となった利用者に対して胃瘻栄養の選択について家族と協議することが多い。その際、利用者の経口摂取レベルについて、わかりやすく家族に説明することが重要である。また、施設の多職種間で食支援に関する情報共有は不可欠である。今回、胃瘻造設を拒否された利用者に対して最期まで経口摂取を支援するため、食事観察サポートソフト「い~とみる」によりミールラウンドを可視化し、情報共有した食支援の1例を経験したので報告する。
【症例および経過】
86歳女性(特別養護老人ホーム入所中)。生活全般において介助が必要(要介護3)。既往歴:左放線冠梗塞、左皮質下出血、右大腿骨転子部骨折。現病歴:右大腿骨転子部骨折にて近在病院で加療後、退院してから無表情で発話が消失した。食事は手づかみ食べで自己摂取困難な状態と判断された。ミールラウンドでは「い~とみる」を使用し、利用者の経口摂取機能を「全身機能・認知機能・口腔機能・咽頭機能・姿勢」の5項目で評価し、食支援に取り組んだ。
【結果と考察】
ミールラウンドごとに「い~とみる」より得られた現状評価と対応策を参考に食支援計画を検討した。その結果、食事中に嚥下しづらい様子やむせが見られた場合はリクライニングで対応すること、および食事形態を変更することにより摂取量や食事時間が安定した。食支援介入102日目に肺炎を発症したが、摂取状況を可視化しているため経時的変化が把握しやすく、状態の変化を支援スタッフで共有できた。食支援計画の再考時期の判断にも有用であった。今後、本ソフトが利用者のミールラウンドの経時的な記録化や家族・職員間の情報共有に期待できる。