[P一般-047] パーキンソン病患者の嚥下障害と服薬状況に関する実態調査
【目的】
抗パーキンソン病(PD)薬の多くは錠剤であり,摂食嚥下障害を伴うPD患者は服薬困難を訴えることが少なくない。そこで,在宅PD患者を対象に嚥下障害と服薬状況の実態を明らかにする目的で調査を行った。
【方法】
PD友の会福岡県支部会員のPD患者で,2017年5月支部総会に参加した35名(平均年齢71.1±7.9歳)を対象とした。PDの運動症状(UPDRS part3)と薬物療法の奏功状態(wearing-offやon-offの有無),PDのスクリーニング嚥下障害質問票(SDQ),抗PD薬の内容や内服状況,食形態や増粘剤使用,改訂水飲みテスト,舌圧,口腔内細菌数などについて調査した。
【結果と考察】
参加者のうち,軟飯食1名,きざみ食2名以外は普通食摂取であり,水分への増粘剤使用者は2名であった。また,改訂水飲みテスト陽性者は15%,薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者はそれぞれ48%と31%であった。UPDRS part3とSDQのスコア間には有意な相関関係が認められた(r=0.497,p=0.016)。薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者の方がSDQの嚥下障害スコアは高かった(p<0.05,p<0.01)。さらに,薬の嚥下困難感自覚者の方が高率でwearing-offやon-offが(p<0.01),咽頭部での停滞感自覚者の方が高率でwearing-offが認められた(p<0.05)。普通食摂取,増粘剤未使用でも,薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚するPD患者が認められ,運動機能の低下,wearing-offやon-offの出現,嚥下障害の進行,薬の服薬困難が相互に関連している可能性が示唆された。
抗パーキンソン病(PD)薬の多くは錠剤であり,摂食嚥下障害を伴うPD患者は服薬困難を訴えることが少なくない。そこで,在宅PD患者を対象に嚥下障害と服薬状況の実態を明らかにする目的で調査を行った。
【方法】
PD友の会福岡県支部会員のPD患者で,2017年5月支部総会に参加した35名(平均年齢71.1±7.9歳)を対象とした。PDの運動症状(UPDRS part3)と薬物療法の奏功状態(wearing-offやon-offの有無),PDのスクリーニング嚥下障害質問票(SDQ),抗PD薬の内容や内服状況,食形態や増粘剤使用,改訂水飲みテスト,舌圧,口腔内細菌数などについて調査した。
【結果と考察】
参加者のうち,軟飯食1名,きざみ食2名以外は普通食摂取であり,水分への増粘剤使用者は2名であった。また,改訂水飲みテスト陽性者は15%,薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者はそれぞれ48%と31%であった。UPDRS part3とSDQのスコア間には有意な相関関係が認められた(r=0.497,p=0.016)。薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚する者の方がSDQの嚥下障害スコアは高かった(p<0.05,p<0.01)。さらに,薬の嚥下困難感自覚者の方が高率でwearing-offやon-offが(p<0.01),咽頭部での停滞感自覚者の方が高率でwearing-offが認められた(p<0.05)。普通食摂取,増粘剤未使用でも,薬の嚥下困難感や咽頭部での停滞感を自覚するPD患者が認められ,運動機能の低下,wearing-offやon-offの出現,嚥下障害の進行,薬の服薬困難が相互に関連している可能性が示唆された。