一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

一般演題ポスター

実態調査

実態調査

2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-048] 歯科医療施設における軽度認知障害検査の有用性
―評価対象とMoCA-Jスコアの関係―

○奥森 直人1、柳澤 邦博1、宮田 幹郎1、小室 美樹1、米山 俊之1、遠藤 富夫1、新崎 博文1、簗瀬 武史1 (1. 公益社団法人日本歯科先端技術研究所)

【目的】
 歯科医療施設が通院患者に認知機能アセスメント検査を行い,軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment:MCI )を早期に発見することで興味深い知見が得られたので報告する。
【対象および方法】
 (公社)日本歯科先端技術研究所所属15施設において,65歳以上の高齢者203例について検査をした。除外基準は認知症患者,過去に認知症の診断をされたことがある患者,抗認知症薬,抗うつ薬,向精神薬,抗不安薬を服用中の患者,脳卒中,頭部外傷,統合失調症,うつ病およびその既往歴がある患者,担当調査歯科医が参加不適当と判断した者とした。調査項目は被験者背景,歯科機能検査,認知機能検査とし,認知機能アセスメント検査ツールはMontreal Cognitive Assessment 日本語版(MoCA-J)を使用した。
【結果】
 203例についてを集約すると,評価対象におけるMoCA-J評価スコアは,2区分では1.≧26:N=75(36.9%),2.<26:N=128 (63.1%), 3区分では1.≧26:N=75(36.9%),2.26>MoCAJ≧20:N=94(46.3%),3.<19:N=34(16.7%)であった。
【考察および結論】
 MoCA-Jの評価スコア基準は30点中 26点以上が健常者,20点以上26点未満がMCI,19点以下 が認知症と考えられているが,今回,認知機能アセスメント検査を行い,MCIもしくは認知症の疑いが128例(63.1%)との知見を得た。この結果は認知機能アセスメント検査による健常者と一般的な問診・診査項目により判断される健常者との大きな差異を示していると考えられる。