[P一般-056] 食料品製造業従業者における根面う蝕の有病状況に関連する要因
【目的】
高齢期の進行した根面う蝕は臨床上大きな問題となっている。その予防には成人前期からの根面う蝕の罹患状態や規定要因を明確にする事が重要である。しかしながら,成人における根面う蝕の有病は職種によって影響を受ける事が報告されている。そこで経済産業省の平成26年度工業統計調査において従業者数の最も多い食料品製造業従業者に職種を統一し,根面う蝕歯の分布と関連する要因について解析した。
【方法】
2017年8~9月に某食品企業の北海道および千葉県内の工場の労働者571名のうち同意を得られた20~65歳の413名を対象に口腔診査および質問紙調査を実施した。さらに業務の種類において生産・製造に携わっていると回答した男性278名を解析対象とした。
【結果と考察】
根面う蝕の有病率(未処置及び処置歯)は20歳台8.3%,30歳台17.9%,40歳台29.2%,50歳台39.3%,60歳台50.0%であり,加齡と共に増加傾向を示した。未処置の根面う蝕有病者の自覚症状をコレスポンデンス分析により検討した結果,未処置の根面う蝕有病者は健常者の近くに位置し,自覚症状がない事が推察された。根面う蝕経験の有無を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果,根面う蝕有病者は歯肉退縮歯が多い(6~10歯OR:10.30,11歯以上OR:21.77)及び口腔清掃状態不良(OR:4.80),菓子類の間食や甘い飲み物の摂取(OR:3.39)との関連が認められた(p<0.05)。一方業務中の試食とは関連を認めなかった。以上の結果から歯肉退縮歯数,口腔清掃状態,間食の摂取の要因が根面う蝕と関連する事が示唆された。さらに根面う蝕の歯種別の有病率についても検討する。
高齢期の進行した根面う蝕は臨床上大きな問題となっている。その予防には成人前期からの根面う蝕の罹患状態や規定要因を明確にする事が重要である。しかしながら,成人における根面う蝕の有病は職種によって影響を受ける事が報告されている。そこで経済産業省の平成26年度工業統計調査において従業者数の最も多い食料品製造業従業者に職種を統一し,根面う蝕歯の分布と関連する要因について解析した。
【方法】
2017年8~9月に某食品企業の北海道および千葉県内の工場の労働者571名のうち同意を得られた20~65歳の413名を対象に口腔診査および質問紙調査を実施した。さらに業務の種類において生産・製造に携わっていると回答した男性278名を解析対象とした。
【結果と考察】
根面う蝕の有病率(未処置及び処置歯)は20歳台8.3%,30歳台17.9%,40歳台29.2%,50歳台39.3%,60歳台50.0%であり,加齡と共に増加傾向を示した。未処置の根面う蝕有病者の自覚症状をコレスポンデンス分析により検討した結果,未処置の根面う蝕有病者は健常者の近くに位置し,自覚症状がない事が推察された。根面う蝕経験の有無を従属変数とした多重ロジスティック回帰分析の結果,根面う蝕有病者は歯肉退縮歯が多い(6~10歯OR:10.30,11歯以上OR:21.77)及び口腔清掃状態不良(OR:4.80),菓子類の間食や甘い飲み物の摂取(OR:3.39)との関連が認められた(p<0.05)。一方業務中の試食とは関連を認めなかった。以上の結果から歯肉退縮歯数,口腔清掃状態,間食の摂取の要因が根面う蝕と関連する事が示唆された。さらに根面う蝕の歯種別の有病率についても検討する。