[P一般-057] 経鼻経管栄養チューブの咽頭内交差と喉頭蓋との接触に関する調査
【目的】
藤島らは経鼻経管栄養チューブ(NGT)が咽頭内で交差すると喉頭蓋がNGTに接触し嚥下時に悪影響を及ぼすと報告した。本研究では咽頭内でNGTが交差している患者の頻度及び左右差を明らかにし,NGTを挿入する鼻腔の左右側が咽頭内交差の頻度に与える影響と喉頭蓋との接触の頻度を検討した。
【方法】
調査対象者は摂食嚥下障害の訴えがあり,嚥下内視鏡検査を行った患者のうち,NGTが留置されている患者(平均年齢75.5歳 男性:30人 女性:16人)とした。調査期間は2014年3月20日~2014年10月30日とした。内視鏡画像下でNGTの梨状窩の通過側と鼻腔側の通過側を調査し,鼻腔の通過側と梨状窩の通過側が同じものを交差なし群,異なるものを交差あり群とした。安静時にNGTが喉頭蓋と接触しているものを接触あり群,ないものを接触なし群とした。鼻腔通過側とNGT交差の頻度及びNGT交差頻度と喉頭蓋接触頻度を比較した。結果はχ2検定,フィッシャーの正確確率検定を用いて統計処理を行った(p<0.05)。
【結果】
NGTの交差の有無の割合は左側鼻孔から挿管した場合,右側より有意に少ない結果(左:15% 右:46.2%)となった。NGTの安静時喉頭蓋接触は全例で咽頭内交差していた。
【考察】
結果より左側鼻孔からの挿管がNGTの交差を減少させることが示唆された。食道は解剖学的に正中線よりやや左よりを走行するためNGTは左側梨状窩を通過しやすいと推測される。NGTの交差により喉頭蓋と接触する可能性があり,交差をなくすことで違和感の軽減に繋がると推測される。臨床的にはNGTを左側鼻孔から挿入することで咽頭内交差による嚥下時のリスクを減らせるかもしれない。
藤島らは経鼻経管栄養チューブ(NGT)が咽頭内で交差すると喉頭蓋がNGTに接触し嚥下時に悪影響を及ぼすと報告した。本研究では咽頭内でNGTが交差している患者の頻度及び左右差を明らかにし,NGTを挿入する鼻腔の左右側が咽頭内交差の頻度に与える影響と喉頭蓋との接触の頻度を検討した。
【方法】
調査対象者は摂食嚥下障害の訴えがあり,嚥下内視鏡検査を行った患者のうち,NGTが留置されている患者(平均年齢75.5歳 男性:30人 女性:16人)とした。調査期間は2014年3月20日~2014年10月30日とした。内視鏡画像下でNGTの梨状窩の通過側と鼻腔側の通過側を調査し,鼻腔の通過側と梨状窩の通過側が同じものを交差なし群,異なるものを交差あり群とした。安静時にNGTが喉頭蓋と接触しているものを接触あり群,ないものを接触なし群とした。鼻腔通過側とNGT交差の頻度及びNGT交差頻度と喉頭蓋接触頻度を比較した。結果はχ2検定,フィッシャーの正確確率検定を用いて統計処理を行った(p<0.05)。
【結果】
NGTの交差の有無の割合は左側鼻孔から挿管した場合,右側より有意に少ない結果(左:15% 右:46.2%)となった。NGTの安静時喉頭蓋接触は全例で咽頭内交差していた。
【考察】
結果より左側鼻孔からの挿管がNGTの交差を減少させることが示唆された。食道は解剖学的に正中線よりやや左よりを走行するためNGTは左側梨状窩を通過しやすいと推測される。NGTの交差により喉頭蓋と接触する可能性があり,交差をなくすことで違和感の軽減に繋がると推測される。臨床的にはNGTを左側鼻孔から挿入することで咽頭内交差による嚥下時のリスクを減らせるかもしれない。