一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題ポスター

実態調査

実態調査

2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-058] 慢性期医療病院NSTにおける歯科介入の必要性と今後の課題

○貴島 真佐子1,2、糸田 昌隆1,2 (1. 社会医療法人若弘会わかくさ竜間リハビリテーション病院、2. 大阪歯科大学附属病院口腔リハビリテーション科)

【目的】
 当院は,リハビリテーションを中心とした医療を提供する500床の療養型病院である。平成16年10月より栄養ケアマネジメントにて入院患者の栄養管理を行い,現在も継続して行っている。NSTは平成28年11月より発足し,算定開始した。誤嚥性肺炎や脳血管疾患後遺症の入院患者が多く,口腔環境の整備と口腔機能,嚥下機能評価や可能な限り経口摂取アプローチを実施するためにも歯科の介入は重要である。本研究では,NST介入患者の現状把握し,歯科の介入の必要性と今後の課題について検討を行う。
【方法】
 対象は,平成28年11月から1年間,NST介入した患者とした。基礎疾患,介入期間,リハビリテーション(以下,リハ)の介入の有無,NST介入終了時の栄養評価,転帰,摂食状態(FOIS)について後ろ向き調査し,検討を行った。
【結果と考察】
 調査期間における症例は,82名(平均年齢82.9歳),基礎疾患は,誤嚥性肺炎をはじめとした呼吸器系疾患が最も多く,次いで脳血管疾患,心疾患であり,あわせて疾患に伴う廃用症候群もみられた。平均介入期間は約80日,リハ介入は68%が介入していた。SGAによる評価は,介入後、高度栄養障害は減少した。転帰は,死亡が32.9%,転院が12%,退院は17%であった。リハ非介入症例において死亡率が高かった。介入時FOIS 3以下は72%であり、死亡症例の76%にみられた。慢性期病棟におけるNST介入において,対象者の選定を今後再検討する必要性があると考えられる。また,歯科が介入し,口腔環境や口腔機能,嚥下機能の評価を経時的に行い,経口摂取が可能となるような口腔ケアや歯科治療などの口腔管理を行うことが重要であることがわかった。