一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題ポスター

教育

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2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-082] 高齢者疑似体験実習の学修効果に及ぼす因子
―性別と実習実施者の影響―

○小野 圭昭1、楠 尊行1、岩山 和史1、田中 栄士1、芦田 貴司1 (1. 大阪歯科大学高齢者歯科学講座)

【緒言】
 高齢者に対する課題を明確化し支援を具体化するためには,高齢者のイメージを持ち,さらに高齢者に対して共感することにより自らの意識を変革する必要がある。高齢者疑似体験実習は,高齢者の身体的変化を体験することにより心理的共感を惹起し,体験的に学ぶことができると言われている。我々は,平成13年度より歯学基礎教育が終了後,病院臨床実習前のプレクリニックとして高齢者疑似体験実習を行ってきた。今回,実習後に学生自身の考えの整理と再認識を目的として提出させた自由回答文を自然言語解析手法を使ってテキストマイニングし,多変量解析することにより,実習実施者の違いならびに性差が高齢者疑似体験実習の学修効果に与えた影響について検討を行った。
【方法】
 大阪歯科大学高齢者歯科学講座が実施した高齢者疑似体験実習を受講した平成25年度ならびに平成26年度の歯学部4年生253名を対象とした。高齢者疑似体験スーツを着用し,①階段昇降,②ソファーへの腰掛け,③和式トイレ,④デンタルチェアー上での診療姿勢,⑤ポスターの音読,⑥トランプ遊びなどの課題を行った。体験実習終了後に提出させた253の自由回答文をテキストマイニングソフトKH Coder 2.00eを用いて分析した。
【結果と考察】
 共起分析を行った結果,高齢者疑似体験を行って得る身体的理解,および心理的理解への発展は,男女間ならびに実習実施者による差が認められた。このことから高齢者疑似体験実習の学修効果を上げるには,男女間の差を勘案する必要があり,さらに体験項目の精査,ならびに教員の解説が重要であることが明らかとなった。