The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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地域歯科医療部門

[P一般-028] 一般歯科診療所の外来受診高齢患者の口腔内状態に関する調査 -歯数と義歯使用に注目して-

○朝田 和夫1、呉 明憲1、長野 雅一1、朝田 真理1、竹川 ひとみ1、遠藤 眞美2、野本 たかと2 (1. 東京都 医療法人社団 進和会 あさだ歯科口腔クリニック、2. 日本大学松戸歯学部 障害者歯科学講座)

【目的】
 近年,高齢者の歯科受診率が増加している。我々は,一般歯科診療所を外来受診した高齢者の口腔や顔面領域に関する悩みに関して調査を行ってきた。その結果から,以前に比較して歯数の増加がわかった。そこで,今回,一般歯科診療所を受診する高齢者の口腔内状態を把握し,高齢者歯科医療のニーズを検討することとした。
【方法】
 対象は,2014~2020年に東京都のあさだ歯科口腔クリニックを初診受診した高齢者513人(男性204人,女性309人)とした。
 方法は,診療録から年齢,性別,来院目的・主訴(複数),歯数,第一大臼歯の有無,義歯の使用状況などを無記名でレトロスペクティブに抽出した。
【結果と考察】
 対象者の年齢群別の人数(割合)は,65~69歳126人(25%),70~74歳が104人(20%),75~79歳97人(19%),80~84歳91人(18%),85歳以上95人(19%)であった。歯数は年齢増加に伴い減少し,平均歯数は上述した年齢群順に21歯, 19歯, 17歯,14歯, 10歯と歯科疾患実態調査結果とほぼ同様であった。無歯顎は45人(9%)で年齢群別の割合は84歳までは歯科疾患実態調査結果(以下,歯科調)1と同様であったが,85歳以上では歯科調1の27%に比較して本対象者では20%と少なかった。受診目的・主訴は,歯周疾患204人(40%),う蝕178人(35%),義歯137人(27%),顎関節21人(4%),口の乾き17人(3%)であった。203人(40%)は義歯を使用していた。一方,24歯以上者,歯数に関わらず第一大臼歯の喪失を認めない者は義歯の使用を認めなかった。無歯顎者のうち2人が初診時には義歯未使用であったが,義歯製作を目的に来院していた。
 一般歯科診療所を受診した高齢者を調査したところ,保有する歯数の増加を認め,そのために歯周疾患やう蝕治療を目的に来院に至ったと推察された。また,義歯使用には歯数の減少だけでなく,第一大臼歯の喪失が関連する可能性が示唆された。
【参考文献】
1. 厚生労働省.歯科疾患実態調査.https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/62-28-02.pdf
(COI開示:なし)
(日本大学松戸歯学部 倫理審査委員会承認番号 EC-16-032)