[P一般-032] 地域在住者におけるオーラルフレイルと口腔機能低下症についての検討
目的:
オーラルフレイルは軽微な口腔機能低下に対する啓発活動を目的に作成された概念である。一方, 口腔機能低下症は口腔機能精密検査の結果に基づき診断される疾患である。オーラルフレイルと口腔機能低下症はオーバーラップする部分が多いとされるが,オーラルフレイルは2つの主観的評価項目と4つの客観的評価項目,口腔機能低下症は7つの客観的評価項目で構成され,判定基準も異なる。本研究では,地域在住者におけるオーラルフレイルと口腔機能低下症の分布と関連性について検討を行った。
方法:
当院にて定期メンテナンス中の患者で本研究に同意が得られた者52名を対象とし,オーラルフレイルの判定基準6項目のうち3項目以上該当する場合をオーラルフレイル,1または2項目該当する場合をオーラルプレフレイルと判定し,口腔機能低下症の検査項目7項目のうち3項目以上該当する場合を口腔機能低下症ありと判定した。
結果:
対象者の属性は,男性:23名,女性:29名, 37歳~89歳,平均年齢:71±12.4歳であった。オーラルフレイルについては,プレフレイル(+)が26名(50.0%),フレイル(+)が11名(21.2%),口腔機能低下症(+)は18名(34.6%)であった。また,プレフレイル(+)/口腔機能低下症(+)群,フレイル(+)/口腔機能低下症(+)群はともに9名(17.3%)であり,オーラルフレイル,プレフレイルと口腔機能低下症は有意に関連していることが示唆された(p< 0.05, χ2検定)。
その他,プレフレイル(+)/口腔機能低下症(-)群は17例(32.7%),フレイル(+)/口腔機能低下症(-)群は2例(3.8%)で,オーラルフレイルおよび口腔機能低下症に該当しなかった者は15名(28.9%)であった。
考察:
オーラルフレイルあるいはプレフレイルを認める場合は口腔機能低下症を併発している可能性が高いことが示唆された。また,口腔機能低下症に該当しないがオーラルプレフレイルに該当している症例も認めたことから,早期の口腔機能低下に対応するためにはオーラルフレイル判定および口腔機能精密検査をあわせて行うことが望ましいと考えられた。
老年歯科倫理2019-1
オーラルフレイルは軽微な口腔機能低下に対する啓発活動を目的に作成された概念である。一方, 口腔機能低下症は口腔機能精密検査の結果に基づき診断される疾患である。オーラルフレイルと口腔機能低下症はオーバーラップする部分が多いとされるが,オーラルフレイルは2つの主観的評価項目と4つの客観的評価項目,口腔機能低下症は7つの客観的評価項目で構成され,判定基準も異なる。本研究では,地域在住者におけるオーラルフレイルと口腔機能低下症の分布と関連性について検討を行った。
方法:
当院にて定期メンテナンス中の患者で本研究に同意が得られた者52名を対象とし,オーラルフレイルの判定基準6項目のうち3項目以上該当する場合をオーラルフレイル,1または2項目該当する場合をオーラルプレフレイルと判定し,口腔機能低下症の検査項目7項目のうち3項目以上該当する場合を口腔機能低下症ありと判定した。
結果:
対象者の属性は,男性:23名,女性:29名, 37歳~89歳,平均年齢:71±12.4歳であった。オーラルフレイルについては,プレフレイル(+)が26名(50.0%),フレイル(+)が11名(21.2%),口腔機能低下症(+)は18名(34.6%)であった。また,プレフレイル(+)/口腔機能低下症(+)群,フレイル(+)/口腔機能低下症(+)群はともに9名(17.3%)であり,オーラルフレイル,プレフレイルと口腔機能低下症は有意に関連していることが示唆された(p< 0.05, χ2検定)。
その他,プレフレイル(+)/口腔機能低下症(-)群は17例(32.7%),フレイル(+)/口腔機能低下症(-)群は2例(3.8%)で,オーラルフレイルおよび口腔機能低下症に該当しなかった者は15名(28.9%)であった。
考察:
オーラルフレイルあるいはプレフレイルを認める場合は口腔機能低下症を併発している可能性が高いことが示唆された。また,口腔機能低下症に該当しないがオーラルプレフレイルに該当している症例も認めたことから,早期の口腔機能低下に対応するためにはオーラルフレイル判定および口腔機能精密検査をあわせて行うことが望ましいと考えられた。
老年歯科倫理2019-1