[課題1-1] 地域包括ケア病床における栄養と歯科の連携のカタチ~食形態と栄養状態、身体機能、転帰の関連~
【目的】
地域包括ケア病棟において、「食べる」「動く」という機能は退院支援に大きく関与している。当院では管理栄養士と歯科衛生士が連携し、患者の口腔機能に合わせた食形態を選択し、食べやすい食事を提供することで栄養状態ならびに身体機能の回復を支援している。また口腔機能を改善し、1段階でも上の食形態を摂取できるようになることを目指している。本研究では、管理栄養士と歯科衛生士の連携について紹介するとともに、食形態は咬合支持とどのように関連しているか、また食形態と栄養状態、身体機能、転帰の関連について調査した。
【方法】
研究デザインは後ろ向きコホート研究。調査対象は、公仁会鹿島病院地域包括ケア病床へ2018年11月~ 2021年12月の期間に入退院した65歳以上の経口摂取をしている患者とした。除外基準は14日以内の退院、転院、死亡退院、データ欠損患者とした。調査項目は、年齢、性別、疾患、入院期間および入退院時のBMI、MNA-SF、GLIM基準による栄養状態、摂取エネルギー量、食形態、咬合支持域、残存歯数、FIM、転帰とした。咬合支持はアイヒナー分類に基づき分類し、義歯を含めた咬合支持域についても調査した。また常食群(普通食と軟菜食)と嚥下調整食群(コード4~1j)で栄養状態、摂取エネルギー量、FIM、転帰について比較した。
【結果と考察】
研究基準を満たした対象者は328名で平均年齢は85.5±7.1歳(男性137名 女性191名)であり、GLIM診断基準により対象者の50%に低栄養が認められた。義歯を含めた咬合支持域の割合はA群73.5%、B群5.8%、C群20.7%であり、食形態別の割合は、常食群ではA群82.1%、B群7.4%、C群10.5%に対し嚥下食群ではA群 61.6%、B群3.6%、C群34.8%であった(p < 0.01)。常食群と嚥下食群の比較では、入退院時の栄養状態、FIMのいずれも常食群の方が高く(p < 0.01, p < 0.01)、自宅退院率が高いという結果であった (p < 0.01)。
本研究の結果より、退院時に常食を摂取できることは、栄養状態ならびに身体機能の回復へつながる可能性が示唆された。(COI開示:なし)(公仁会鹿島病院倫理委員会承認番号、R3-07)
地域包括ケア病棟において、「食べる」「動く」という機能は退院支援に大きく関与している。当院では管理栄養士と歯科衛生士が連携し、患者の口腔機能に合わせた食形態を選択し、食べやすい食事を提供することで栄養状態ならびに身体機能の回復を支援している。また口腔機能を改善し、1段階でも上の食形態を摂取できるようになることを目指している。本研究では、管理栄養士と歯科衛生士の連携について紹介するとともに、食形態は咬合支持とどのように関連しているか、また食形態と栄養状態、身体機能、転帰の関連について調査した。
【方法】
研究デザインは後ろ向きコホート研究。調査対象は、公仁会鹿島病院地域包括ケア病床へ2018年11月~ 2021年12月の期間に入退院した65歳以上の経口摂取をしている患者とした。除外基準は14日以内の退院、転院、死亡退院、データ欠損患者とした。調査項目は、年齢、性別、疾患、入院期間および入退院時のBMI、MNA-SF、GLIM基準による栄養状態、摂取エネルギー量、食形態、咬合支持域、残存歯数、FIM、転帰とした。咬合支持はアイヒナー分類に基づき分類し、義歯を含めた咬合支持域についても調査した。また常食群(普通食と軟菜食)と嚥下調整食群(コード4~1j)で栄養状態、摂取エネルギー量、FIM、転帰について比較した。
【結果と考察】
研究基準を満たした対象者は328名で平均年齢は85.5±7.1歳(男性137名 女性191名)であり、GLIM診断基準により対象者の50%に低栄養が認められた。義歯を含めた咬合支持域の割合はA群73.5%、B群5.8%、C群20.7%であり、食形態別の割合は、常食群ではA群82.1%、B群7.4%、C群10.5%に対し嚥下食群ではA群 61.6%、B群3.6%、C群34.8%であった(p < 0.01)。常食群と嚥下食群の比較では、入退院時の栄養状態、FIMのいずれも常食群の方が高く(p < 0.01, p < 0.01)、自宅退院率が高いという結果であった (p < 0.01)。
本研究の結果より、退院時に常食を摂取できることは、栄養状態ならびに身体機能の回復へつながる可能性が示唆された。(COI開示:なし)(公仁会鹿島病院倫理委員会承認番号、R3-07)