一般社団法人日本老年歯科医学会 第34回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師更新ポスター

2023年6月16日(金) 11:30 〜 18:00 ポスター会場 (1階 G3)

※発表なし掲示のみ

[摂食更新P-14] 急性期病院における摂食機能療法専門歯科医師としての活動

○吉住 結1 (1. さいたま赤十字病院 口腔外科)

【緒言】
 急性期病院勤務の歯科医師として本資格の専門性に基づいた医療従事者向けの教育活動を行っているので報告する。
【方法】
 2019 年度より急性期病院の歯科口腔外科に入職し,摂食機能療法専門歯科医師(以下,専門歯科医師)の立場から院内職員に向け教育活動を行っている。当院には摂食嚥下に関わるチームが存在しておらず,摂食嚥下リハビリテーション(以下,嚥下リハ)については主に言語聴覚士(以下,ST)が担い,嚥下機能検査を耳鼻咽喉科・リハビリテーション科医師が行うシステムであり,院内の摂食嚥下訓練マニュアル(以下,マニュアル)等は栄養サポートチーム(以下,NST)で作成されていた。職員への嚥下リハに関する教育活動は,NSTが主催する小規模の院内セミナー,各病棟で個別に行う勉強会,新人看護師研修のみであった。まず嚥下リハに関わる職種で,知識・情報の共有やリハビリテーションの質の向上を目的として,カンファレンスを始めた。カンファレンスはリハビリテーション科,耳鼻咽喉科,栄養課,口腔外科で参加できる職種が参加し,週 1 回 30 分を目安に行うこととした。カンファレンスでは,嚥下機能検査画像の供覧に加え,嚥下調整食の試食会,錠剤内服や口腔機能低下症に関する勉強会を実施し,各職種のスキルアップを目指している。当該カンファレンスは現在,摂食嚥下支援チームとしての役割も担っている。2020 年よりコロナ禍となり,院内でのセミナーや勉強会の開催が中止となり,対面での教育活動が困難となった。そこで ST,看護師,管理栄養士,歯科衛生士,専門歯科医師で,多職種で活用できるような教育用動画の作成を行った。また,摂食機能療法に関して,臨床現場で活用しやすいよう,院内で使用している書式と既存のマニュアルの修正を行った。マニュアルに関しては,現場の意見を反映させたさらなる改良が必要と考えており,意見を取り入れるため,現在職員向けのアンケートを準備している。
【結果と考察】
 これまでは各職種が自身の関わる患者のみを把握していたが,カンファレンスで検査画像を供覧し,質疑応答やさらなる問題提起,アドバイス等をやりとりできるようになってきている。今後はこれまでの教育活動がどのように活かされているかを検証し,フィードバックしながら次の活動へ進む段階と考えている。
(COI 開示:なし)(倫理審査対象外)