一般社団法人日本老年歯科医学会 第35回学術大会

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連携医療・地域医療-2(質疑応答)

2024年6月29日(土) 14:20 〜 15:20 ポスター会場 (大ホールC)

[P-53] 新規開設リハビリテーション病院における活動報告

○小谷 朋子1、山口 浩平2 (1. 川口きゅうぽらリハビリテーション病院、2. 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 医歯学専攻 老化制御学講座 摂食嚥下リハビリテーション学分野)

【目的】
 埼玉県川口市に新規開設したリハビリテーション病院における病院開設業務に携わってきたので報告する。
【方法】
 2023年4月に入職し、同年8月に開設した川口きゅうぽらリハビリテーション病院の開設業務に携わってきた。過去の例からすると、回復期病院新設時点で歯科標榜を持つことは極めて稀であるが、病院開設後に歯科を設置する例では、いかに歯科が院内の多職種と連携を取ることができるかが課題となることが多い。今回は、歯科医師として開設準備の段階から参加したことによって、開設当初より病院全体が食事・口腔に重きを置く体制が整った。食形態の監修、看護部における口腔アセスメントシステムの構築、栄養・嚥下カンファレンスの設置がその成果である。開設後4ヶ月後からは、PT・OTによる夕食の食事介助も開始し、食事場面もリハ専門職による評価が実施されるに至った。
 また法人本部は秋田県であるが、元々関東圏内に介護医療院・グループホーム・精神科病院といったあらゆる医療・介護施設を持ち、法人内でのスタッフの交流をはかり、法人全体で患者に適した医療を提供すべく、奔走した1年となった。
 自身は歯科部門の責任者として、栄養・嚥下カンファレンスの運営、入院患者全員の口腔・嚥下アセスメント実施、歯科診療・嚥下評価や嚥下外来・嚥下訪問診療まで診療場面を広げるに至った。実際に近隣の医療機関・地域包括支援センター・居宅介護支援事業所・訪問看護ステーションへ伺い、更には地域の歯科医師会・自治会との交流、市が主催する多職種交流会への参加も積極的に行ってきたことで、現在では地域の医療・介護関係者からの紹介や、近隣住民からの直接の問い合わせも少しずつ増えている状況である。
【結果と考察】
 開設時から歯科医師として運営に携わることができた結果、摂食嚥下リハビリテーションに携わっている歯科医師としての目線を、病院運営に反映できたように思う。今後は更に地域との交流を深め、地域の摂食嚥下リハビリテーションの拠点となることができるよう、連携を推進していきたい。

(COI開示:なし)(倫理審査対象外)