The 35th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Presentation information

シンポジウム

シンポジウム » [シンポジウム12] 地域におけるオーラルフレイル対策と歯科衛生士の関わり

シンポジウム12
地域におけるオーラルフレイル対策と歯科衛生士の関わり

Sun. Jun 30, 2024 1:10 PM - 3:10 PM 第3会場 (中ホール)

座長:須田 牧夫(医療法人社団横浜みらい会 横浜南仲通歯科)、渡邉 理沙(医療法人 静心会 桶狭間病院 藤田こころケアセンター 歯科)

企画:歯科衛生士関連委員会

[SY12-1] 介護保険を活用した高齢者の口腔管理の推進

○増田 絵美奈1 (1. 厚生労働省 老健局 老人保健課)

【略歴】
平成22年3月  東京農業大学応用生物科学部バイオサイエンス学科 卒業
平成29年3月 昭和大学歯学部歯学科 卒業
令和3年3月 昭和大学大学院歯学研究科歯学専攻 修了
令和3年4月 厚生労働省入省
令和3年4月 厚生労働省保険局医療課 主査
令和5年3月 厚生労働省老健局老人保健課 課長補佐
【抄録(Abstract)】
団塊の世代が全員75歳以上となる2025年、更にはその先の2040年にかけて、85歳以上の人口が急増するとともに、高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加することが見込まれる。加えて、要介護認定率は、年齢が上がるにつれ上昇し、特に、85歳以上で上昇しており、2025年度以降、後期高齢者の増加は緩やかとなるが、85歳以上の人口は、2040年に向けて、引き続き増加が見込まれており、医療と介護の複合ニーズを持つ者が一層多くなることが見込まれる。 重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制(地域包括ケアシステム)の構築を実現に向けた取組が必要である。また、地域包括ケアシステムは、保険者である市町村や都道府県が、地域の自主性や主体性に基づき、地域の特性に応じて作り上げていくことが必要となる。 介護保険制度においては保険給付の他、地域包括ケアシステムの実現に向けて、高齢者の社会参加・介護予防に向けた取組、配食・見守り等の生活支援体制の整備、在宅生活を支える医療と介護の連携及び認知症の方への支援の仕組み等を一体的に推進しながら、高齢者を地域で支えていく体制を構築するため、市町村において「地域支援事業」が実施されている。地域支援事業の目的は、被保険者が要介護状態又は要支援状態となることを予防し、社会に参加しつつ、地域において自立した日常生活を営むことができるよう支援することを目的とし、地域における包括的な相談及び支援体制、多様な主体の参画による日常生活の支援体制、在宅医療と介護の連携体制及び認知症高齢者への支援体制の構築等を一体的に推進することにある。 地域支援事業のうち、今回は特に「一般介護予防事業」と「在宅医療・介護連携推進事業」に焦点をあて、事業の概要や口腔に関する取組事例を紹介するとともに、令和6年4月より第9期介護保険事業計画が開始されたことを踏まえ、今後の事業の方向性等についてもご紹介させて頂きたい。また、令和6年度介護報酬改定において、介護保険施設及び特定施設における口腔衛生管理の強化、訪問系サービス及び短期入所系サービスにおける口腔管理に係る連携の強化、居宅療養管理指導における歯科衛生士等の介入の充実等の対応を行ったことを踏まえ、保険給付における高齢者の口腔管理の推進のための評価等についても併せてご紹介させて頂きたい。