第14回 日本抗加齢医学会総会

セッション情報

日本疫学会合同シンポジウム

日本疫学会合同シンポジウム

寿命延長が日本社会をどのように変えるか

2014年6月8日(日) 10:40 〜 12:10 第9会場 (1004+1005 10F)

座長:坪田一男(慶應義塾大学医学部眼科学), 磯博康(大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学)

【座長の言葉】
少子化超高齢社会のわが国にとって、抗加齢が目指す主な目標の一つとして、寿命の延長ではなく、健康寿命の延伸が挙げられる。わが国の健康政策においても平均寿命の増加を上回る健康寿命の延伸が目標として掲げられている。しかしながら、この目標の達成には、保健・医療の分野での抗加齢研究とその応用、環境改善や予防・医療対策を総合的に進めるとともに、それらの対策を絶えず評価してゆくことが求められる。抗加齢研究に関しても、基礎、臨床、疫学の分野における包括的な研究推進が重要であり、また、施策の評価においても疫学が方法論を提供する学問としてその重要性が増している。
このような背景を踏まえ、本総会において日本疫学会との合同シンポジムを開催することとなった。疫学の分野として、藤田保健衛生学医学衛生学講座の橋本教授に、健康寿命の指標の算出とその記述疫学について解説いただく。
基礎医学の分野として、新潟大学医歯学総合研究科循環器内科の南野教授に、動物実験による老化の分子メカニズムと細胞老化を標的とした先制医療に健康寿命の可能性について述べていただく。
臨床医学の分野として、慶応大学医学部循環器内科の新村教授に、前期高齢者のおける予防医療・健康増進医学の重要性と医療介入方法について論じていただく。
大阪大学医学系研究科公衆衛生学の磯が、日本人における動脈硬化の疫学と予防の観点から、健康寿命延伸のための保健・医療対策のこれまでと今後について述べたい。
これらの基礎、臨床、疫学の観点から総合討論を行い、抗加齢研究が今後さらなる学際研究として日本人の健康寿命の延伸という国家的課題に対処すための議論の契機としたい。