[O13-3] 救命救急センターに救急搬送された患者の家族関係者への看護師の対応
【目的】A病院に救急搬送された患者の家族関係者への看護師の対応について現状を明らかにする。
【方法】研究デザイン:量的記述的研究
研究対象者:A病院高度救命救急センター救急外来で勤務する看護師103名(師長は除く。高度救命救急センターICUおよび救急病棟、一般外来に所属する者)。
調査期間:2019年1月10日〜1月30日
調査方法:独自に作成した無記名自記式質問紙票を用いたアンケート調査
調査項目:救急搬送された患者の家族関係者への看護師の対応(初めて対応するタイミング・行動・記録)、対象者の属性に関する項
目の合計19項目
看護師の行動に関する項目ではCNS-FACEのニードを充足するための家族関係者への関わりの実施度を5段階の尺度を用いて尋ねた。
分析方法:家族関係者対応の実施度についてCNS-FACEのニード間および対象者の所属部署間で多重比較(Holm法)を行った。
【倫理的配慮】A病院看護研究倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】有効回答数75部。有効回答率72.8%。安楽・安寧のニードへの対応の実施度はICU、救急病棟、一般外来の3部署全ての看護師において有意に低かった(p<0.05、p<0.05、p<0.01)。
ICU所属の看護師では情報、社会的サポート(p<0.01)、接近、情緒的サポート(p<0.05)のニードへの対応の実施度は安楽・安寧のニードより有意に高かった。救急病棟所属の看護師では情報、情緒的サポートのニードへの対応の実施度は安楽・安寧、保証のニードより有意に高かった(p<0.05)。一般外来所属の看護師では接近のニードへの対応の実施度は安楽・安寧、保証のニードより有意に高かった(p<0.05)。
対象者の所属部署間においては安楽・安寧、社会的サポート、接近のニードへの対応の実施度は、ICU所属の看護師に比べ外来所属の看護師が有意に低かった(p<0.05)。情報のニードへの対応の実施度はICU、救急病棟所属の看護師に比べ外来所属の看護師が有意に低かった(p<0.01)。
【考察】
先行研究では救命救急センター、ICU・CCUに入院した患者の家族のニードのうち、第1病日に高いのは情報、接近、保証のニードであり、最も低いのは安楽・安寧のニードであることが明らかになっている1)。A病院に救急搬送された患者の家族関係者のニードにおいても同様に情報、接近、保証のニードが高く、安楽・安寧のニードが低いと考えられた。そのため、ニードが高い情報、接近のニードへの対応の実施度は高く、ニードが低い安楽・安寧のニードへの対応の実施度は低い結果となったと考えられた。情報、接近のニードと比較して保証のニードへの対応の実施度は低い傾向にあり強化が必要だと考えられた。部署別にみると、一般外来所属の看護師の各ニードへの対応の実施度が低く今後の課題であると示唆された。
【参考文献】
1)山勢博彰(2006):重症・救急患者家族のニードとコーピングに関する構造モデルの開発―ニードとコーピングの推移から―、日本看護研究学会雑誌、29(2)、p. 95-102
【方法】研究デザイン:量的記述的研究
研究対象者:A病院高度救命救急センター救急外来で勤務する看護師103名(師長は除く。高度救命救急センターICUおよび救急病棟、一般外来に所属する者)。
調査期間:2019年1月10日〜1月30日
調査方法:独自に作成した無記名自記式質問紙票を用いたアンケート調査
調査項目:救急搬送された患者の家族関係者への看護師の対応(初めて対応するタイミング・行動・記録)、対象者の属性に関する項
目の合計19項目
看護師の行動に関する項目ではCNS-FACEのニードを充足するための家族関係者への関わりの実施度を5段階の尺度を用いて尋ねた。
分析方法:家族関係者対応の実施度についてCNS-FACEのニード間および対象者の所属部署間で多重比較(Holm法)を行った。
【倫理的配慮】A病院看護研究倫理審査委員会の承認を得た。
【結果】有効回答数75部。有効回答率72.8%。安楽・安寧のニードへの対応の実施度はICU、救急病棟、一般外来の3部署全ての看護師において有意に低かった(p<0.05、p<0.05、p<0.01)。
ICU所属の看護師では情報、社会的サポート(p<0.01)、接近、情緒的サポート(p<0.05)のニードへの対応の実施度は安楽・安寧のニードより有意に高かった。救急病棟所属の看護師では情報、情緒的サポートのニードへの対応の実施度は安楽・安寧、保証のニードより有意に高かった(p<0.05)。一般外来所属の看護師では接近のニードへの対応の実施度は安楽・安寧、保証のニードより有意に高かった(p<0.05)。
対象者の所属部署間においては安楽・安寧、社会的サポート、接近のニードへの対応の実施度は、ICU所属の看護師に比べ外来所属の看護師が有意に低かった(p<0.05)。情報のニードへの対応の実施度はICU、救急病棟所属の看護師に比べ外来所属の看護師が有意に低かった(p<0.01)。
【考察】
先行研究では救命救急センター、ICU・CCUに入院した患者の家族のニードのうち、第1病日に高いのは情報、接近、保証のニードであり、最も低いのは安楽・安寧のニードであることが明らかになっている1)。A病院に救急搬送された患者の家族関係者のニードにおいても同様に情報、接近、保証のニードが高く、安楽・安寧のニードが低いと考えられた。そのため、ニードが高い情報、接近のニードへの対応の実施度は高く、ニードが低い安楽・安寧のニードへの対応の実施度は低い結果となったと考えられた。情報、接近のニードと比較して保証のニードへの対応の実施度は低い傾向にあり強化が必要だと考えられた。部署別にみると、一般外来所属の看護師の各ニードへの対応の実施度が低く今後の課題であると示唆された。
【参考文献】
1)山勢博彰(2006):重症・救急患者家族のニードとコーピングに関する構造モデルの開発―ニードとコーピングの推移から―、日本看護研究学会雑誌、29(2)、p. 95-102