[O26-1] 初めて緊急心臓カテーテル検査・治療を受ける患者への看護援助の評価
Ⅰ.はじめに
急性心筋梗塞と診断された患者の多くは、緊急に心臓カテーテル治療(以下緊急PCI)を受けなければならない。短時間で様々なことを準備しなければならず、処置に関する説明や援助を行い患者の身体的苦痛や精神的不安の軽減に努めている。しかし、患者は実際、よく考える時間もなく説明や処置を受けなくてはならない。このような状況で、これまでの自分たちは患者に適切な援助を行うことができているのか疑問に思った。
Ⅱ.研究目的
救急外来から検査室での看護の現状を明らかにし評価することで、緊急PCIを受ける患者への適切な看護介入の方向性を見出すことを目的とする。
Ⅲ.研究方法
研究期間:平成29年9月~平成30年3月
対象:研究期間内に緊急PCIを初めて受けた患者の中で、意識清明で会話可能であり、同意を得られた14名。
面接時期:HCU病棟から一般病棟に転棟後。
方法:質問票をもとに半構造化面接法を用いた聞き取り調査。KJ法に準じて分析。
6.倫理的配慮
当院の看護研究倫理委員会の承認を得た。患者には研究の趣旨及び目的を具体的に説明した上で、調査協力は自由であること、調査依頼を辞退されてもなんら不利益を被ることがないことを説明した。得たデータの匿名性、個人のプライバシーを保持することを約束し、データは研究以外では使用しないことを説明した。
Ⅳ.結果
1.面接時の率直な気持ち
「検査が終わって良かった」3件、「具合が良くなって良かった」5件、「発症から治療終了までの振り返りについて」4件。
2.看護師の対応
「話しかけやすい雰囲気があった、対応が十分だった」が17件と一番多かった。「忙しそうで話しかけにくい」2件。
3.プライバシーへの配慮
「配慮があった」6件、「緊急時なので仕方がないと思っていた」7件だった。
4.検査・治療中に不安だったことはあったか
「不安はなかった」10件、「不安があった」4件。
5.検査・治療中に困ったことはあったか
「困ったことがなかった」6件。「困ったことがあった」5件で全て「長時間の臥床安静によること」だった。
6.救急外来や検査室の看護師に対しての要望
「なし」6件、「良くしてもらった、安心したなど」4件、その他「救急外来や検査室の設備や環境について」、「ストレッチャーで移動時、曲がる方向の声掛けの不足」、「周囲の音に関する指摘」があった。
Ⅴ.考察
患者の多くは看護師の対応や検査に関わる説明は十分だと感じていたが、少数の患者は看護師が忙しそうで話しかけにくい状況に不十分さを感じていた。また、救急外来では、救命を優先するためにプライバシーの配慮や、苦痛や不安の軽減の援助が必要最低限もしくはやや不足している現状にあった。「緊急なので仕方がない」との発言から患者もそのことを理解し受け入れていると考える。しかし、これらを改善しより良い看護援助を行うために、設備等を変えることは難しいが、移動時間などを利用して説明する機会を増やし、患者が満足できる看護を行う必要がある。
また、これまで検査、治療中にしてはいけないことだけを伝えることが多かったが、体を動かしても良いタイミングを伝えるなど、今までとは別の視点を加えることで、適切な看護援助の実現を目指していく必要がある。
Ⅵ.結論
患者は検査や治療に概ね満足していたが、看護援助が不足している部分もあった。看護師は緊迫した状況でもできる限り患者の反応をみながら理解の程度を判断し、個々にあった説明と介入を行うことが必要である。
急性心筋梗塞と診断された患者の多くは、緊急に心臓カテーテル治療(以下緊急PCI)を受けなければならない。短時間で様々なことを準備しなければならず、処置に関する説明や援助を行い患者の身体的苦痛や精神的不安の軽減に努めている。しかし、患者は実際、よく考える時間もなく説明や処置を受けなくてはならない。このような状況で、これまでの自分たちは患者に適切な援助を行うことができているのか疑問に思った。
Ⅱ.研究目的
救急外来から検査室での看護の現状を明らかにし評価することで、緊急PCIを受ける患者への適切な看護介入の方向性を見出すことを目的とする。
Ⅲ.研究方法
研究期間:平成29年9月~平成30年3月
対象:研究期間内に緊急PCIを初めて受けた患者の中で、意識清明で会話可能であり、同意を得られた14名。
面接時期:HCU病棟から一般病棟に転棟後。
方法:質問票をもとに半構造化面接法を用いた聞き取り調査。KJ法に準じて分析。
6.倫理的配慮
当院の看護研究倫理委員会の承認を得た。患者には研究の趣旨及び目的を具体的に説明した上で、調査協力は自由であること、調査依頼を辞退されてもなんら不利益を被ることがないことを説明した。得たデータの匿名性、個人のプライバシーを保持することを約束し、データは研究以外では使用しないことを説明した。
Ⅳ.結果
1.面接時の率直な気持ち
「検査が終わって良かった」3件、「具合が良くなって良かった」5件、「発症から治療終了までの振り返りについて」4件。
2.看護師の対応
「話しかけやすい雰囲気があった、対応が十分だった」が17件と一番多かった。「忙しそうで話しかけにくい」2件。
3.プライバシーへの配慮
「配慮があった」6件、「緊急時なので仕方がないと思っていた」7件だった。
4.検査・治療中に不安だったことはあったか
「不安はなかった」10件、「不安があった」4件。
5.検査・治療中に困ったことはあったか
「困ったことがなかった」6件。「困ったことがあった」5件で全て「長時間の臥床安静によること」だった。
6.救急外来や検査室の看護師に対しての要望
「なし」6件、「良くしてもらった、安心したなど」4件、その他「救急外来や検査室の設備や環境について」、「ストレッチャーで移動時、曲がる方向の声掛けの不足」、「周囲の音に関する指摘」があった。
Ⅴ.考察
患者の多くは看護師の対応や検査に関わる説明は十分だと感じていたが、少数の患者は看護師が忙しそうで話しかけにくい状況に不十分さを感じていた。また、救急外来では、救命を優先するためにプライバシーの配慮や、苦痛や不安の軽減の援助が必要最低限もしくはやや不足している現状にあった。「緊急なので仕方がない」との発言から患者もそのことを理解し受け入れていると考える。しかし、これらを改善しより良い看護援助を行うために、設備等を変えることは難しいが、移動時間などを利用して説明する機会を増やし、患者が満足できる看護を行う必要がある。
また、これまで検査、治療中にしてはいけないことだけを伝えることが多かったが、体を動かしても良いタイミングを伝えるなど、今までとは別の視点を加えることで、適切な看護援助の実現を目指していく必要がある。
Ⅵ.結論
患者は検査や治療に概ね満足していたが、看護援助が不足している部分もあった。看護師は緊迫した状況でもできる限り患者の反応をみながら理解の程度を判断し、個々にあった説明と介入を行うことが必要である。