[O3-3] 新人看護師にコルブの経験学習モデルを活用したシミュレーション教育の効果
【はじめに】
当救命救急センターに配属となった新人看護師は、日々の業務や患者・スタッフとの関わりから、多様化する医療や患者のニーズ、価値観に伴い、看護師の役割、専門職としての資質、能力の育成が課題であると感じていた。看護基礎教育では、専門知識に基づいた問題解決能力の育成に幅広く取り組むためにシミュレーション教育が積極的に取り入れられている。
今回、新人看護師教育計画にコルブの経験学習モデルを活用したシミュレーション教育を実施し、その効果を報告する。
【方法】
対象:平成30年度4月に救命救急センターに配属された新人看護師2名
日程:6月8月12月3月 計4回実施
想定:新人の成長進度・教育計画に沿った想定を設定
手法:シチュエーション・ベースド・トレーニングで実施
評価:コルブの経験学習モデルに沿いデブリーフィングを実施
アンケート結果より効果の評価と課題の抽出
【倫理的配慮】
A病院看護部倫理委員会で承認を得た。本研究を実施する事を、新人2名他スタッフの同意を得た。
【結果・考察】
開催時期は、業務内容の変化や受け持ち患者の重症度を上げるタイミングとした。
1回目(6月):処置係を担当し、日常生活援助中に軽症の状態変化する症例とした。安全面の配慮は行えたが、看護技術が主体となりアセスメントや報告が行えなかった。撮影したビデオを見ながら症例や看護、自身の行動を客観的に振り返り、自身の能力と技術の未熟さを認知できた。
2回目(8月):実際に経験した症例や軽症急変症例とした。急変を察知する事はできたが、アセスメントや報告が行えなかった。アセスメントのポイントや報告内容を振り返ると、視点が看護ではなく業務である事が明確となり、不足している知識や看護について自身の傾向に気付く事ができた。
3回目(12月):事前学習を提示し、実際に経験した急性期治療中の軽度急変患者症例とした。急変の察知やショックの認知、アセスメントや報告が行え、振り返りでも経験を省察し概念化する事ができていた。
4回目(3月):院内集合研修でBLSを受講し、OJTの関わりで所属内での復習が課題であった為、BLSを含む急変症例としたが、事象に捉われBLSを開始する事や報告も行えなかった。不慣れな状況や焦りがあると、冷静な時には考えられる事が考えられないという事に気付き、日々の看護を振り返る事の大切さに気付く事ができた。
アンケート結果は、急変のイメージやアセスメントのポイントを押さえる事ができた、看護に活かす事ができた、自身の看護を見直すきっかけとなったなどの回答が得られた。
コルブは、自身が提唱する経験学習理論の中で、人は自身で経験し、それに対して振り返り、そこから様々な気付きをする事で、そこから学び得た内容を次の実践に生かす事ができると述べている。
葛場は、シミュレーション演習後に実施するディスカッションは、演習を学習目標に到達させる重要な部分であるが、デブリーファーが明らかでなくリフレクションやディスカッションの進め方が明確でないと述べている。今回、経験学習モデルを活用したシミュレーション教育を行った事は、経験を省察し、断片的であった知識や技術が整理され、能動的に問題や課題に取り組み、思考しながら行動に移すといった実践への活用につながったと考える。
このことから、経験学習理論を活用したシミュレーション教育は、思考力・判断力・表現力・自問する力・論理的に物事を考える力を身に付ける一助となると考える。
当救命救急センターに配属となった新人看護師は、日々の業務や患者・スタッフとの関わりから、多様化する医療や患者のニーズ、価値観に伴い、看護師の役割、専門職としての資質、能力の育成が課題であると感じていた。看護基礎教育では、専門知識に基づいた問題解決能力の育成に幅広く取り組むためにシミュレーション教育が積極的に取り入れられている。
今回、新人看護師教育計画にコルブの経験学習モデルを活用したシミュレーション教育を実施し、その効果を報告する。
【方法】
対象:平成30年度4月に救命救急センターに配属された新人看護師2名
日程:6月8月12月3月 計4回実施
想定:新人の成長進度・教育計画に沿った想定を設定
手法:シチュエーション・ベースド・トレーニングで実施
評価:コルブの経験学習モデルに沿いデブリーフィングを実施
アンケート結果より効果の評価と課題の抽出
【倫理的配慮】
A病院看護部倫理委員会で承認を得た。本研究を実施する事を、新人2名他スタッフの同意を得た。
【結果・考察】
開催時期は、業務内容の変化や受け持ち患者の重症度を上げるタイミングとした。
1回目(6月):処置係を担当し、日常生活援助中に軽症の状態変化する症例とした。安全面の配慮は行えたが、看護技術が主体となりアセスメントや報告が行えなかった。撮影したビデオを見ながら症例や看護、自身の行動を客観的に振り返り、自身の能力と技術の未熟さを認知できた。
2回目(8月):実際に経験した症例や軽症急変症例とした。急変を察知する事はできたが、アセスメントや報告が行えなかった。アセスメントのポイントや報告内容を振り返ると、視点が看護ではなく業務である事が明確となり、不足している知識や看護について自身の傾向に気付く事ができた。
3回目(12月):事前学習を提示し、実際に経験した急性期治療中の軽度急変患者症例とした。急変の察知やショックの認知、アセスメントや報告が行え、振り返りでも経験を省察し概念化する事ができていた。
4回目(3月):院内集合研修でBLSを受講し、OJTの関わりで所属内での復習が課題であった為、BLSを含む急変症例としたが、事象に捉われBLSを開始する事や報告も行えなかった。不慣れな状況や焦りがあると、冷静な時には考えられる事が考えられないという事に気付き、日々の看護を振り返る事の大切さに気付く事ができた。
アンケート結果は、急変のイメージやアセスメントのポイントを押さえる事ができた、看護に活かす事ができた、自身の看護を見直すきっかけとなったなどの回答が得られた。
コルブは、自身が提唱する経験学習理論の中で、人は自身で経験し、それに対して振り返り、そこから様々な気付きをする事で、そこから学び得た内容を次の実践に生かす事ができると述べている。
葛場は、シミュレーション演習後に実施するディスカッションは、演習を学習目標に到達させる重要な部分であるが、デブリーファーが明らかでなくリフレクションやディスカッションの進め方が明確でないと述べている。今回、経験学習モデルを活用したシミュレーション教育を行った事は、経験を省察し、断片的であった知識や技術が整理され、能動的に問題や課題に取り組み、思考しながら行動に移すといった実践への活用につながったと考える。
このことから、経験学習理論を活用したシミュレーション教育は、思考力・判断力・表現力・自問する力・論理的に物事を考える力を身に付ける一助となると考える。