第21回日本救急看護学会学術集会

講演情報

一般演題(口演)

看護教育

[O5] O5群 看護教育②

2019年10月4日(金) 15:10 〜 16:10 第7会場 (3F 中会議室304)

座長:宮田 佳之(長崎大学病院 高度救命救急センター)

[O5-4] MET看護師スキルチェックシートを用いたOSCEの教育的効果

清水 愛美, 岡山 英子, 宇野 翔吾, 國井 五月 (株式会社日立製作所日立総合病院)

【はじめに】2014年5月からRapid Response System(以下RRS)・Code Blue System(以下CBS)を稼働し、Medical Emergency Team(以下MET)がその活動を担っている。今日までMET活動報告や病棟看護師を対象にRRS・CBSに対する勉強会を実施することで要請件数の増加につながり、RRS・CBSを浸透させることができた。しかし、現在MET看護師に対する教育指標は無いため、MET看護師スキルチェックシートの作成と客観的実技評価試験(以下OSCE)を行い、その有用性を明らかにしたいと考えた。【研究目的】MET看護師スキルチェックシートを用いたOSCEの有用性を明らかにする【方法】1)対象者:MET活動の経験がある看護師27名2)期間:2018年10月から2019年4月3)AHAのBLS・ACLSに準じた独自のスキルチェックシートと、リーダーシップ・メンバーシップに関するスキルチェックシートと、シナリオ4症例を作成4)OSCE前後でMET活動を行うにあたっての問題点と、BLS、ACLS、リーダーシップ、メンバーシップ、機材使用についての自己評価と、スキルチェックシートを用いたOSCEの必要性についてアンケート調査を実施5)BLS・ACLSインストラクターが中心となりOSCEを実施6)OSCEのスキルチェクシート結果を集計【倫理的配慮】所属施設の倫理委員会の承認を得て実施した。アンケートへの参加は自由意思とし、アンケートの回答をもって同意とした。【結果】アンケートによるOSCE実施後の自己評価は、BLSについてとてもできる、まあまあできると答えた看護師は78%、ACLSについてとてもできる、まあまあできるが44%、リーダーシップについてとてもできる、まあまあできるが32%、メンバーシップについてとてもできる、まあまあできるが59%であった。MET看護師スキルチェックシートを用いたOSCEの結果は、BLS達成率は58%、ACLS達成率は61%、リーダーシップ達成率は72%、メンバーシップ達成率は77%であった。OSCEはMET活動に活かせるかの問いに、活かせると答えた看護師は介入前51%から介入後68%に増え、「流れの確認になった」「チーム構成の訓練は必要」という意見があった。OSCEは必要だと答えた看護師は介入前54%から介入後60%に増え、「他者から見てフィードバックしてもらうので改善点が明確になる」「ストレスになるが技術・知識の確認になる」という意見があった。OSCEは必要かの問いに「知識・技術のアップデートのために必要」「目的・目標が理解できなかった」「実施後落ち込み、嫌な気持ちになった」という意見があった。【考察】BLSについてとてもできる、まあまあできると答えた看護師は約8割と高かったが、OSCEによるBLS、ACLSの達成率は約6割と低く、早急なブラッシュアップが必要であることが明確となり、MET看護師スキルチェックシートを用いたOSCEは有用であったと考える。しかし、OSCEは必要かの問いに「目的・目標が理解できなかった」「実施後落ち込み、嫌な気持ちになった」という意見があり、OSCEの趣旨を明瞭化すると共に、評価者のOSCEに関する知識・技術の研鑽も今後の課題である。