[O5-5] 救急安心センター事業での看護師の自己評価について
はじめに)#7119(救急安心センター事業)は救急車の適正利用等を目的に開設された電話救急相談事業である。医学的に検証されたプロトコルを用いて緊急性を判定し受診手段(救急車利用の必要性の有無)や受診までの時間等をアドバイスする窓口であるが、Aセンターではトークフローやマニュアルがなく、相談対応は看護師個々によりアレンジされており、基本的なルールに基づいて対応しているスタッフが少ない。結果、看護師による対応の差が生まれていることを常々問題視してきた。開設より10年を迎え問題点の改善を目的に、原点に戻り看護師の再教育に着手した。
目的)Aセンターの看護師教育の問題点を明らかにする
倫理的配慮)自己評価実施時に、本研究への研究協力に関しては自由意思とし、自己評価用紙に同意の可否の記載を依頼した。
方法)電話救急医療相談に従事する看護師22名を対象にプロトコル研修前後の自己評価を比較した。研修前の自己評価は平成30年度個人目標シート(平成31年2月提出)を使用、研修後の自己評価は平成31年度3月に実施したプロトコルに関する勉強会後の自己評価(参加者18名参加率81.8%、未参加者4名には後日個別に指導、課題の提出を実施)を使用した。
今回は、特にルールの逸脱が著明な①プロトコルに沿った対応ができている②判定結果のランクダウン時の医師への確認③医学的知識の披露や診療と間違えられるような指示をしていない。の3項目の比較を実施した
結果)自己評価回収数は研修前、研修後とも22例で回収率100%であった。①プロトコルに沿った対応ができていると回答したのは、研修前12名(54.5%)で研修後3名(13.6%)②判定結果のランクダウン時の医師への確認ができていると回答したのは研修前12名(54.5%)で研修後2名(9.1%)③医学的知識の披露や診療と間違えられるような指示をしていないと回答したのは研修前20名(90.9%)研修後4名(18.2%)であった。
考察)電話救急医療相談において、先入観をもち看護師の主観で判断していくことは非常に危険な行為である。そのためにプロトコルを用いて緊急性を判定する基本的な概念は厳守しなければいけない。しかし、Aセンターでは判定結果の妥当性を重視し指導を行ってきたため、そこに至るまでの対応内容について検証することが不十分であった。それに加えトークフローやマニュアルがなく、対応する看護師により、対応の差が生じていたと考える。今回の研究結果から、Aセンターでは、プロトコルやルールを厳守することへの認識が甘く、研修前の自己評価が高かったと考える。また、電話救急医療相談では、他のスタッフの対応内容の把握が難しく、ルールの逸脱も見逃されてきた可能性が高い。プロトコルの研修を行い基本的なルールを周知したことで、評価の適正化と問題点の意識づけができたが、電話救急医療相談の対応は1対1であり、研修後も残念ながらルールの逸脱を認めている。今後は、対応内容を客観的に評価するスタッフを配置し、より質の高い電話相談に繋げていけるよう教育体制、管理体制の再構築に努めていく必要がある。
目的)Aセンターの看護師教育の問題点を明らかにする
倫理的配慮)自己評価実施時に、本研究への研究協力に関しては自由意思とし、自己評価用紙に同意の可否の記載を依頼した。
方法)電話救急医療相談に従事する看護師22名を対象にプロトコル研修前後の自己評価を比較した。研修前の自己評価は平成30年度個人目標シート(平成31年2月提出)を使用、研修後の自己評価は平成31年度3月に実施したプロトコルに関する勉強会後の自己評価(参加者18名参加率81.8%、未参加者4名には後日個別に指導、課題の提出を実施)を使用した。
今回は、特にルールの逸脱が著明な①プロトコルに沿った対応ができている②判定結果のランクダウン時の医師への確認③医学的知識の披露や診療と間違えられるような指示をしていない。の3項目の比較を実施した
結果)自己評価回収数は研修前、研修後とも22例で回収率100%であった。①プロトコルに沿った対応ができていると回答したのは、研修前12名(54.5%)で研修後3名(13.6%)②判定結果のランクダウン時の医師への確認ができていると回答したのは研修前12名(54.5%)で研修後2名(9.1%)③医学的知識の披露や診療と間違えられるような指示をしていないと回答したのは研修前20名(90.9%)研修後4名(18.2%)であった。
考察)電話救急医療相談において、先入観をもち看護師の主観で判断していくことは非常に危険な行為である。そのためにプロトコルを用いて緊急性を判定する基本的な概念は厳守しなければいけない。しかし、Aセンターでは判定結果の妥当性を重視し指導を行ってきたため、そこに至るまでの対応内容について検証することが不十分であった。それに加えトークフローやマニュアルがなく、対応する看護師により、対応の差が生じていたと考える。今回の研究結果から、Aセンターでは、プロトコルやルールを厳守することへの認識が甘く、研修前の自己評価が高かったと考える。また、電話救急医療相談では、他のスタッフの対応内容の把握が難しく、ルールの逸脱も見逃されてきた可能性が高い。プロトコルの研修を行い基本的なルールを周知したことで、評価の適正化と問題点の意識づけができたが、電話救急医療相談の対応は1対1であり、研修後も残念ながらルールの逸脱を認めている。今後は、対応内容を客観的に評価するスタッフを配置し、より質の高い電話相談に繋げていけるよう教育体制、管理体制の再構築に努めていく必要がある。