[RTD13-4] 院内トリアージ体制の構築と実践
【はじめに】
2018年4月から当院でも看護師によるJTASを用いた院内トリアージを開始した。当院では、救急車はもちろんウォークイン患者も『断らない救急』をスローガンとしている。混雑した救急外来で、ウォークイン患者の中にも、心筋梗塞や脳卒中、敗血症などの緊急度の高い患者が来院している。そのため院内トリアージの的確な実施は医療安全の視点からも必要である。看護師への教育をはじめシステムの構築は、救急看護認定看護師2名が中心となって行った。開始から1年が経過し、評価と今後の課題を報告する。
【目的】
院内トリアージ開始1年間の結果から、現状と課題を明らかにする。
【実際の取り組み】
当院の平日夜間、休日の救急外来は、救命救急センターの看護師と一般外来の看護師が勤務している。まずは、救命救急センターの看護師が院内トリアージを実施することとした。トリアージナースの要件には、救急看護認定看護師が主催する院内トリアージの勉強会への参加やJTASの受講、日本救急看護学会のファーストエイドの受講などとした。(救命救急センターでの看護師経験が3年未満の看護師でもトリアージナースとして勤務し院内トリアージは実施するが、院内トリアージ実施料は算定しない。)
院内トリアージはタブレット型端末でJTASを用いて実施した。記録は当初、電子カルテの導入が予定されていたが不都合があり、紙のトリアージシートを作成し用いることした。
事後検証は、院内トリアージ会議を月1回開催し、その中で実施した。会議の結果は、院内で導入しているグループウェアや紙媒体を使用し周知に努めた。
【結果】
2019年度の院内トリアージ実施率は、47%だった。
院内トリアージの結果の内訳は、成人では、蘇生0.17% 緊急8.3% 準緊急35.3% 低緊急37.5% 非緊急3.7% 無記入 4.9% だった。小児では、蘇生0.1% 緊急11% 準緊急43.7% 低緊急32.1% 非緊急7.9% 無記入5.9% だった。
アンダートリアージは、成人では消化器疾患に関するものが最も多かった。要因としては疼痛スコアの使用がないものや、脱水定義の使用がないことが考えられた。小児ではRS上気道炎がわずかに多かった。要因としては脱水の定義の使用がないことが考えられた。
アンダートリアージの要因分析を周知することで、腹痛や紹介受診、小児の脱水などでのアンダートリアージの減少がみられた。
【まとめ】
当院で院内トリアージを開始して、1年が経過した。今後は、実施率が向上するように業務改善の実施を推進する。救命救急センターの看護師以外でも、院内トリアージが実施できるよう、トリアージナースの教育の充実に努めていく必要がある。教育では、疼痛スコアや脱水の定義について重点をおく必要があることが明らかになった。
2018年4月から当院でも看護師によるJTASを用いた院内トリアージを開始した。当院では、救急車はもちろんウォークイン患者も『断らない救急』をスローガンとしている。混雑した救急外来で、ウォークイン患者の中にも、心筋梗塞や脳卒中、敗血症などの緊急度の高い患者が来院している。そのため院内トリアージの的確な実施は医療安全の視点からも必要である。看護師への教育をはじめシステムの構築は、救急看護認定看護師2名が中心となって行った。開始から1年が経過し、評価と今後の課題を報告する。
【目的】
院内トリアージ開始1年間の結果から、現状と課題を明らかにする。
【実際の取り組み】
当院の平日夜間、休日の救急外来は、救命救急センターの看護師と一般外来の看護師が勤務している。まずは、救命救急センターの看護師が院内トリアージを実施することとした。トリアージナースの要件には、救急看護認定看護師が主催する院内トリアージの勉強会への参加やJTASの受講、日本救急看護学会のファーストエイドの受講などとした。(救命救急センターでの看護師経験が3年未満の看護師でもトリアージナースとして勤務し院内トリアージは実施するが、院内トリアージ実施料は算定しない。)
院内トリアージはタブレット型端末でJTASを用いて実施した。記録は当初、電子カルテの導入が予定されていたが不都合があり、紙のトリアージシートを作成し用いることした。
事後検証は、院内トリアージ会議を月1回開催し、その中で実施した。会議の結果は、院内で導入しているグループウェアや紙媒体を使用し周知に努めた。
【結果】
2019年度の院内トリアージ実施率は、47%だった。
院内トリアージの結果の内訳は、成人では、蘇生0.17% 緊急8.3% 準緊急35.3% 低緊急37.5% 非緊急3.7% 無記入 4.9% だった。小児では、蘇生0.1% 緊急11% 準緊急43.7% 低緊急32.1% 非緊急7.9% 無記入5.9% だった。
アンダートリアージは、成人では消化器疾患に関するものが最も多かった。要因としては疼痛スコアの使用がないものや、脱水定義の使用がないことが考えられた。小児ではRS上気道炎がわずかに多かった。要因としては脱水の定義の使用がないことが考えられた。
アンダートリアージの要因分析を周知することで、腹痛や紹介受診、小児の脱水などでのアンダートリアージの減少がみられた。
【まとめ】
当院で院内トリアージを開始して、1年が経過した。今後は、実施率が向上するように業務改善の実施を推進する。救命救急センターの看護師以外でも、院内トリアージが実施できるよう、トリアージナースの教育の充実に努めていく必要がある。教育では、疼痛スコアや脱水の定義について重点をおく必要があることが明らかになった。