[RTD9-1] A病院における一次救命処置研修の指導的関わりを実施して~院内での一次救命処置技術の維持・向上への取り組み~
【はじめに】
救急看護において必要な看護技術として、一次救命処置(Basic Life Support以下BLS)がある。BLSは、突然起こる急変の場面で確実に実施されなければならない。そのため、根拠に基づいた技術を習得する必要がある。米国心臓協会(America Heart Association )では「2年毎の再訓練は最適ではない。心停止傷病者に遭遇する可能性の高いプロバイダーは、BLSおよびALSスキルのより頻繁な訓練が有用な可能性がある。」1)と述べている。
A病院では、従来BLS研修を新人看護師対象としていたが、2018年より全看護師対象のBLS研修を開始した。今回、私が企画したBLS研修の実践を振り返り、全看護師の技術習得に向けた救急看護認定看護師としての課題について考察した。
【目的】
全看護師対象のBLS研修の実践を振り返り、今後の救急看護認定看護師活動の示唆を得る。
【方法】
BLS研修は、2018年4月~2019年3月の期間で全12回、日勤後の1時間で開催した。研修終了後に無記名式アンケートを行い、アンケートの単純集計から振り返った
【対象】
全看護師434人中BLS研修を受講した120人。
【倫理的配慮】
A病院看護部門研究倫理検討会の承認得て実施した。研究対象者には研究公表することを公開し、拒否機会を保障した(オプトアウト)。
【結果】
A病院全看護師434人中BLS研修受講希望者は140人で、うち120人が受講した。受講希望者以外は院外での受講の検討やガイドライン2015に則ったBLS研修(講習会)を受講終了している者であった。BLS研修は、事前学習シートを配布し研修前に回収し受講者の基礎知識を把握した。講義の際は知識不足箇所に焦点を絞りエビデンスに基づいた説明を行った。演習時は受講者が主体となり討議できるようにファシリテートを行った。その結果、受講者は講義での学びを活かしながら、受講者主体で状況判断する演習を行えた。
アンケート回収率は100%であった。アンケートから、「BLS研修の定期的受講が必要」という回答は全体の98%で、理由は「急変時すぐに対応を行う必要がある」「忘れてしまう」であった。「急変に遭遇した際対応ができるか」という問いには「できそう」の回答が80%であったが、「自信がない」や「不安だが頑張りたい」「指示されてできそう」など実践する事への不安感は全体の26%から聞かれた。BLSを学ぶ理由や技能維持のために繰り返し学ぶ必要性の理解は「理解できた」が100%だった。研修全体を通して「良かった」と評価されたが、「もう少しゆっくり実施したかった」との意見もあった。
【考察】
受講希望者数の85%が受講し、BLSは繰り返し学ぶ必要性がある事が理解された。事前学習シートから受講生の理解度を捉え講義を行い、演習時受講者同士で、知識、技術の理解が深まったと考える。しかし、受講者の中には「自信がない」「不安」などの声が聴かれている。自信をもちBLSを実践できる事を目指す場合、継続的支援が必要と考える。今回研修へ参加したスタッフは急変時の対応への意識が高いスタッフと考える。今後は、BLS研修の継続開催と同時に、各部署で急変時対応を繰り返し学べる環境を整備する必要がある。急変時対応への意識の高いスタッフを巻き込み、学習環境整備に向けて人材育成する事が救急看護認定看護師としての課題の一つと考える。
【おわりに】
全看護師対象にBLS研修を実施する事でBLS研修の継続開催、救急看護認定看護師としての役割課題が明確になった。今後は急変対応への意識や興味がある仲間を巻き込む事や継続的なBLS研修の開催、急変時の行動に移せているか、本研修の成果の検証が課題である。
救急看護において必要な看護技術として、一次救命処置(Basic Life Support以下BLS)がある。BLSは、突然起こる急変の場面で確実に実施されなければならない。そのため、根拠に基づいた技術を習得する必要がある。米国心臓協会(America Heart Association )では「2年毎の再訓練は最適ではない。心停止傷病者に遭遇する可能性の高いプロバイダーは、BLSおよびALSスキルのより頻繁な訓練が有用な可能性がある。」1)と述べている。
A病院では、従来BLS研修を新人看護師対象としていたが、2018年より全看護師対象のBLS研修を開始した。今回、私が企画したBLS研修の実践を振り返り、全看護師の技術習得に向けた救急看護認定看護師としての課題について考察した。
【目的】
全看護師対象のBLS研修の実践を振り返り、今後の救急看護認定看護師活動の示唆を得る。
【方法】
BLS研修は、2018年4月~2019年3月の期間で全12回、日勤後の1時間で開催した。研修終了後に無記名式アンケートを行い、アンケートの単純集計から振り返った
【対象】
全看護師434人中BLS研修を受講した120人。
【倫理的配慮】
A病院看護部門研究倫理検討会の承認得て実施した。研究対象者には研究公表することを公開し、拒否機会を保障した(オプトアウト)。
【結果】
A病院全看護師434人中BLS研修受講希望者は140人で、うち120人が受講した。受講希望者以外は院外での受講の検討やガイドライン2015に則ったBLS研修(講習会)を受講終了している者であった。BLS研修は、事前学習シートを配布し研修前に回収し受講者の基礎知識を把握した。講義の際は知識不足箇所に焦点を絞りエビデンスに基づいた説明を行った。演習時は受講者が主体となり討議できるようにファシリテートを行った。その結果、受講者は講義での学びを活かしながら、受講者主体で状況判断する演習を行えた。
アンケート回収率は100%であった。アンケートから、「BLS研修の定期的受講が必要」という回答は全体の98%で、理由は「急変時すぐに対応を行う必要がある」「忘れてしまう」であった。「急変に遭遇した際対応ができるか」という問いには「できそう」の回答が80%であったが、「自信がない」や「不安だが頑張りたい」「指示されてできそう」など実践する事への不安感は全体の26%から聞かれた。BLSを学ぶ理由や技能維持のために繰り返し学ぶ必要性の理解は「理解できた」が100%だった。研修全体を通して「良かった」と評価されたが、「もう少しゆっくり実施したかった」との意見もあった。
【考察】
受講希望者数の85%が受講し、BLSは繰り返し学ぶ必要性がある事が理解された。事前学習シートから受講生の理解度を捉え講義を行い、演習時受講者同士で、知識、技術の理解が深まったと考える。しかし、受講者の中には「自信がない」「不安」などの声が聴かれている。自信をもちBLSを実践できる事を目指す場合、継続的支援が必要と考える。今回研修へ参加したスタッフは急変時の対応への意識が高いスタッフと考える。今後は、BLS研修の継続開催と同時に、各部署で急変時対応を繰り返し学べる環境を整備する必要がある。急変時対応への意識の高いスタッフを巻き込み、学習環境整備に向けて人材育成する事が救急看護認定看護師としての課題の一つと考える。
【おわりに】
全看護師対象にBLS研修を実施する事でBLS研修の継続開催、救急看護認定看護師としての役割課題が明確になった。今後は急変対応への意識や興味がある仲間を巻き込む事や継続的なBLS研修の開催、急変時の行動に移せているか、本研修の成果の検証が課題である。