[OD1103-04] 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)受け入れ専門病棟に勤務する看護師の思いと対応策の検討
キーワード:新型コロナウイルス感染症
【はじめに】A病院では、2020年8月に高度救命救急センターの一部署全8床を中等症以上(ECMOを除く)の患者の受け入れ専門病棟として看護を行ってきた。当時を振り返り、COVID-19患者の受け入れ専門病棟(以下、専門病棟)の看護師の思いを調査し、対応策を検討した。
【倫理的配慮】藤田医科大学病院看護部倫理審査会の承認を得た。
【方法】専門病棟に勤務する看護師13名に聞き取り調査を行った。質問内容は、専門病棟になり①辛かった時期と理由、②よかった事とした。聞き取りした内容を①は、慣れない業務の増加、感染への不安、応援看護師との連携、人員不足、慢性疲労、介入が必要な精神状態、自分の業務以外のフォロー、長期の自粛、他人からの目・意見、医師との連携、患者の重症化や死と直面、超過勤務、PPE装着の手間、治療への知識不足、その他、②は、人工呼吸器や処置の経験、手当の補助、感染対策の意識向上、社会からの応援、他科の経験、スタッフの結束力向上、何もなしの項目に分けて集計した。
【結果】対象看護師の経験年数は10年目以上2名、2~10年目10名、1年目2名の計13名であった。①2020年12月から1月を挙げるスタッフが10名と最も多かった。理由は、慣れない業務の増加10件、感染への不安9件、応援看護師との連携9件、人員不足8件、慢性疲労8件、介入が必要な精神状態8件、自分の業務以外のフォロー7件、長期の自粛6件、他人からの目・意見6件、医師との連携6件、患者の重症化や死と直面4件、超過勤務4件、PPE装着の手間4件、治療への知識不足3件、その他25件であった。②人工呼吸器や処置の経験10件、手当の補助3件、感染対策の意識向上3件、社会からの応援2件、他科の経験1件、スタッフの結束力向上1件、何もなし1件であった。
【考察】2020年11月より第3波の到来で患者数が増加し、専門病棟でも挿管管理や腹臥位療法を行う重症患者が増加した。2020年12月から1月が辛かったと認識され、理由に慣れない業務の増加や感染への不安が上位に挙がったことは、第3波の影響があったと考える。また、この時期に応援看護師が導入されたが、体制が整っておらず連携不足が生じた。宇田らの報告では救命センターに勤務する看護師は、内科看護師に比べ、ストレス要因として仕事の困難さ、人命にかかわる仕事内容、患者・家族との関係、患者の死との直面、医師との関係、技術革新が優位に高かったとされている。専門病棟で理由として挙げられたものもあり、ストレス要因が多く存在したことが伺える。
辛かった理由から改善策を検討した。医師や応援看護師との連携不足に関しては、治療方針や業務範囲・依頼する業務などの情報共有の時間を確保することで業務の円滑化、超過勤務や疲労の軽減となったのではないかと考える。
次に、介入が必要な精神状態に関しては、感染への不安や自粛のストレスを抱えたまま患者の重症化や死と直面し、精神的負担が大きかったと考える。感染の流行は先が見えず、今後は管理者と相談し、Web会議ツールなどを使用し気分転換ができる環境作りも必要と考える。
辛いこともあったが、人工呼吸器や他科の経験ができたなど前向きに感じていることもあった。診療看護師の協力で人工呼吸器に関する自己学習用の資料を配布したことで、知識がつき自信に繋がったと考える。早期に人工呼吸器に触れて勉強会ができれば、より自信をもち看護ができたと考える。
【まとめ】専門病棟に勤務する看護師は様々な理由で辛いと感じていた一方、よかったこともあった。それらを踏まえ、看護師の負担を軽減できる働きかけを検討し実施する必要がある。
【倫理的配慮】藤田医科大学病院看護部倫理審査会の承認を得た。
【方法】専門病棟に勤務する看護師13名に聞き取り調査を行った。質問内容は、専門病棟になり①辛かった時期と理由、②よかった事とした。聞き取りした内容を①は、慣れない業務の増加、感染への不安、応援看護師との連携、人員不足、慢性疲労、介入が必要な精神状態、自分の業務以外のフォロー、長期の自粛、他人からの目・意見、医師との連携、患者の重症化や死と直面、超過勤務、PPE装着の手間、治療への知識不足、その他、②は、人工呼吸器や処置の経験、手当の補助、感染対策の意識向上、社会からの応援、他科の経験、スタッフの結束力向上、何もなしの項目に分けて集計した。
【結果】対象看護師の経験年数は10年目以上2名、2~10年目10名、1年目2名の計13名であった。①2020年12月から1月を挙げるスタッフが10名と最も多かった。理由は、慣れない業務の増加10件、感染への不安9件、応援看護師との連携9件、人員不足8件、慢性疲労8件、介入が必要な精神状態8件、自分の業務以外のフォロー7件、長期の自粛6件、他人からの目・意見6件、医師との連携6件、患者の重症化や死と直面4件、超過勤務4件、PPE装着の手間4件、治療への知識不足3件、その他25件であった。②人工呼吸器や処置の経験10件、手当の補助3件、感染対策の意識向上3件、社会からの応援2件、他科の経験1件、スタッフの結束力向上1件、何もなし1件であった。
【考察】2020年11月より第3波の到来で患者数が増加し、専門病棟でも挿管管理や腹臥位療法を行う重症患者が増加した。2020年12月から1月が辛かったと認識され、理由に慣れない業務の増加や感染への不安が上位に挙がったことは、第3波の影響があったと考える。また、この時期に応援看護師が導入されたが、体制が整っておらず連携不足が生じた。宇田らの報告では救命センターに勤務する看護師は、内科看護師に比べ、ストレス要因として仕事の困難さ、人命にかかわる仕事内容、患者・家族との関係、患者の死との直面、医師との関係、技術革新が優位に高かったとされている。専門病棟で理由として挙げられたものもあり、ストレス要因が多く存在したことが伺える。
辛かった理由から改善策を検討した。医師や応援看護師との連携不足に関しては、治療方針や業務範囲・依頼する業務などの情報共有の時間を確保することで業務の円滑化、超過勤務や疲労の軽減となったのではないかと考える。
次に、介入が必要な精神状態に関しては、感染への不安や自粛のストレスを抱えたまま患者の重症化や死と直面し、精神的負担が大きかったと考える。感染の流行は先が見えず、今後は管理者と相談し、Web会議ツールなどを使用し気分転換ができる環境作りも必要と考える。
辛いこともあったが、人工呼吸器や他科の経験ができたなど前向きに感じていることもあった。診療看護師の協力で人工呼吸器に関する自己学習用の資料を配布したことで、知識がつき自信に繋がったと考える。早期に人工呼吸器に触れて勉強会ができれば、より自信をもち看護ができたと考える。
【まとめ】専門病棟に勤務する看護師は様々な理由で辛いと感じていた一方、よかったこともあった。それらを踏まえ、看護師の負担を軽減できる働きかけを検討し実施する必要がある。