[OD901-01] Eコール対応を迅速に行うための、一般病棟救急カート見直しへの取り組み
Keywords:院内急変、救急カート、急変対応
I.はじめに
A病院では、Emergency call(以下Eコール)時は、指定された医師がコマンダーとなり、救命センターと当該病棟の看護師が急変対応にあたる。救急カートは医療安全が主導で内容を取り決めているが、一般病棟と救命センターでは内容が異なる。Eコール時、救命センター看護師が救命処置を担うが、一般病棟の救急カートの中身を把握しておらず、急変対応に遅れが生じていた。急変対応が遅れることは救命率の低下に繋がるため、救命センター看護師と各病棟看護師・医療安全メンバーが合同で救急カートの見直しを行い、問題点を明確にすることで、より迅速な対応に繋がるのではないかと考えた。ただし、薬剤は見直しを行ったばかりのため、今回は除外する。
II.研究の目的
一般病棟で使用している救急カートの問題点を明らかにする。
III.研究方法
1.研究対象
Eコールに対応したA病院救命センターに勤務する看護師(救急病棟2名・ICU2名)と一般病棟看護師(各病棟1名)、各病棟医療安全メンバー計20名
2.調査期間
2021年2月~2021年12月
3.調査方法・内容
方法は、1グループ5~6名とし、インタビューガイドを用いて60分程度のグループインタビューを実施。
調査内容は、「一般病棟の救急カートを使用した際の使い勝手や、物品・配置の見直しをすることについて感じること」である。
IV.データの分析方法
グループインタビューで得られたデータを、帰納的に分析を行う。分析は一般病棟で救急カートが使用される状況、Eコール時に看護師が困ったと感じた内容に注目し、実践での問題点を抽出する。
V.倫理的配慮
個人情報の保護に配慮し個人が特定できないよう処理を行う。また、研究協力者には同意が得られない場合でも不利益が生じないことを約束した。
Ⅵ.結果
調査の結果、327コードを抽出し、48サブカテゴリーと、【Eコールシステムについて】【感染対策】【救急カートの改善】【救急カートの作業スペース】【救急カートの使用状況】【救急カートの使用方法】【救急カートの知識不足】【急変対応の経験不足】【急変に対する認識の低さ】【人的要因】【設備・物品の設置場所の問題】の11カテゴリーに分類できた。
Ⅶ.考察
カテゴリーの中で、【救急カートの改善】【急変に対する認識の低さ】が特に問題であると考えた。
【救急カートの改善】では、急変時に気管挿管の物品を救急カート内から集めるため、対応に遅れが生じている。物品配置の統一や物品のセット化をすることで問題解決でき、迅速な対応に繋がると考えた。
【急変に対する認識の低さ】では、日々救急カートの点検を実施しているが、物品の使用目的を理解できていない、急変時に物品の不具合があるといった問題点が認められた。また、急変の経験が少なく、救急カートに触れるのは点検の時だけである。救急カートに触れ、知識・技術の習得と急変に対する意識づけには、共に見直しをした救急カートを使用し、一緒に急変シミュレーションを実施することが必要ではないかと考えた。
Ⅸ.結論
分析の結果【救急カートの改善】【急変に対する認識の低さ】など11カテゴリーに分類された。
迅速な対応を行うためには、救命センターと一般病棟の看護師が相互理解し、協力して一般病棟の救急カートの物品配置を検討していく必要がある。いつでも急変対応ができるように物品のセット化をできるものは行い、特に気管挿管の物品のセット化は必要である。その他のカテゴリーに対しても改善していくことが今後の課題である。
A病院では、Emergency call(以下Eコール)時は、指定された医師がコマンダーとなり、救命センターと当該病棟の看護師が急変対応にあたる。救急カートは医療安全が主導で内容を取り決めているが、一般病棟と救命センターでは内容が異なる。Eコール時、救命センター看護師が救命処置を担うが、一般病棟の救急カートの中身を把握しておらず、急変対応に遅れが生じていた。急変対応が遅れることは救命率の低下に繋がるため、救命センター看護師と各病棟看護師・医療安全メンバーが合同で救急カートの見直しを行い、問題点を明確にすることで、より迅速な対応に繋がるのではないかと考えた。ただし、薬剤は見直しを行ったばかりのため、今回は除外する。
II.研究の目的
一般病棟で使用している救急カートの問題点を明らかにする。
III.研究方法
1.研究対象
Eコールに対応したA病院救命センターに勤務する看護師(救急病棟2名・ICU2名)と一般病棟看護師(各病棟1名)、各病棟医療安全メンバー計20名
2.調査期間
2021年2月~2021年12月
3.調査方法・内容
方法は、1グループ5~6名とし、インタビューガイドを用いて60分程度のグループインタビューを実施。
調査内容は、「一般病棟の救急カートを使用した際の使い勝手や、物品・配置の見直しをすることについて感じること」である。
IV.データの分析方法
グループインタビューで得られたデータを、帰納的に分析を行う。分析は一般病棟で救急カートが使用される状況、Eコール時に看護師が困ったと感じた内容に注目し、実践での問題点を抽出する。
V.倫理的配慮
個人情報の保護に配慮し個人が特定できないよう処理を行う。また、研究協力者には同意が得られない場合でも不利益が生じないことを約束した。
Ⅵ.結果
調査の結果、327コードを抽出し、48サブカテゴリーと、【Eコールシステムについて】【感染対策】【救急カートの改善】【救急カートの作業スペース】【救急カートの使用状況】【救急カートの使用方法】【救急カートの知識不足】【急変対応の経験不足】【急変に対する認識の低さ】【人的要因】【設備・物品の設置場所の問題】の11カテゴリーに分類できた。
Ⅶ.考察
カテゴリーの中で、【救急カートの改善】【急変に対する認識の低さ】が特に問題であると考えた。
【救急カートの改善】では、急変時に気管挿管の物品を救急カート内から集めるため、対応に遅れが生じている。物品配置の統一や物品のセット化をすることで問題解決でき、迅速な対応に繋がると考えた。
【急変に対する認識の低さ】では、日々救急カートの点検を実施しているが、物品の使用目的を理解できていない、急変時に物品の不具合があるといった問題点が認められた。また、急変の経験が少なく、救急カートに触れるのは点検の時だけである。救急カートに触れ、知識・技術の習得と急変に対する意識づけには、共に見直しをした救急カートを使用し、一緒に急変シミュレーションを実施することが必要ではないかと考えた。
Ⅸ.結論
分析の結果【救急カートの改善】【急変に対する認識の低さ】など11カテゴリーに分類された。
迅速な対応を行うためには、救命センターと一般病棟の看護師が相互理解し、協力して一般病棟の救急カートの物品配置を検討していく必要がある。いつでも急変対応ができるように物品のセット化をできるものは行い、特に気管挿管の物品のセット化は必要である。その他のカテゴリーに対しても改善していくことが今後の課題である。