第6回日本在宅医療連合学会大会

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一般演題(ポスター)

10-1:地域包括システム

一般演題(ポスター)地域包括システム

Sat. Jul 20, 2024 3:40 PM - 4:20 PM ポスター会場2 (コンベンションホールA)

座長:片見 明美(株式会社 ヴィーナス)

4:00 PM - 4:05 PM

[P-1-125] 地域住民が「在宅医療」に関心を持ち、選択肢のひとつとなるために ー柏モデルの取り組みー

*織田 暁寿1、石橋 正樹2、古賀 友之3、松倉 聡4、櫻庭 陽平5、梅澤 喜義6 (1. 医療法人社団あかつき ホームクリニック柏、2. 医療法人社団雄元会 東洋眼科・胃腸内科・外科、3. 医療法人社団いぶきの森 のぞみの花クリニック、4. 医療法人社団誠高会 おおたかの森病院、5. ふるさとケアプランセンター柏、6. 柏市役所地域医療推進課)

【はじめに】柏市では2009年より地域包括ケアシステムの構築を進めてきた。中でも在宅医療を含めた在宅ケアについては、柏市医師会と柏市が理念を共有、関係する多職種団体が参加し、在宅医療推進、多職種連携に取り組み、「柏モデル」と呼ばれている。多職種連携・情報共有、研修、啓発広報の3部会に分かれて活動する中で、今回は市民への啓発広報活動について報告する。市民に在宅医療に関心を持ってもらうことは容易ではなく、様々な角度からアプローチする手段や方法を考え、実行してきたことを共有したい。【活動】啓発広報部会では、有効な普及啓発活動の検討、啓発ツールの作成と実践を行なっている。当初から現在まで継続している事業には、①在宅医療情報誌「わがや」の発行(年2回、合計23回発行)、②高齢者が集まるサロン等へ行政担当職と専門職がペアとなって出向き、事例紹介や相談を行う出前講座(10年間で281回開催、延べ10127人参加)がある。また、グッズや小冊子の作成、市広報誌へのマンガ連載、柏市をホームとするプロバスケットボールチームや柏出身の著名人とのコラボ、スープレシピコンテスト等を企画実行してきた。【考察】各専門職に加え、市民が部会員として参加している点が特徴のひとつであり、非常に重要かつ有効であると感じている。一例を挙げると、在宅医療という単語を街で見かけないという市民部会員の言葉をきっかけにグッズ(ステッカー)を作成、街中に貼ってもらうことに成功した。また、高齢者をターゲットにしてきたが、より幅広い世代に知ってもらう必要があることを実感し、子育て世代や若い世代へ対象を広げた。その結果、「わがや」誌面クイズへの応募件数や行政への問い合わせ件数の増加が見られ、認知度が上がっている印象を受けている。今後の課題として、より正確な啓発活動の効果判定、市民への在宅医療の認知度の評価方法を検討していきたい。