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[R2-01] CL法を用いた水晶の晶癖に対する重力効果の検討
キーワード:水晶、晶癖、カソードルミネッセンス法
水晶の成長履歴と重力が晶癖に及ぼす影響を調べるため、岩手県玉山鉱山と宮崎県板谷の水晶を試料として、カソードルミネッセンス(CL)法による内部組織観察を行った。観察には走査型電子顕微鏡(JEOL社製JSM-6510)に付随したCL装置(GATAN社製Mini-CL)を用いた。成長縞には産地ごとに共通するパターンがある。玉山産試料では、菱面体面の上下の成長速度比drlower / drupperは0.5-2.5の範囲でばらつく。平均は約0.8でありrupperの成長がrlower の成長よりも速いが、各層の成長幅が狭いため上下の菱面体面の成長速度差は晶癖に大きな影響は与えない。両産地の水晶には初期、中期、末期の3つの成長ステージが存在する。板谷産試料の初期ステージでは下側の柱面の成長速度が上側の柱面の成長速度よりも速い。初期ステージは全長の約20%であるが重力効果が最も強くはたらき、この段階で下側の菱面体面が大きく発達した晶癖が生じる。中期および末期ステージにおける上下の菱面体面の成長速度差では、初期ステージの晶癖を解消するほどの変化は起こらず、初期ステージの晶癖が先端まで維持される。