R3: 高圧科学・地球深部

[R3-10] せん断変形場におけるオリビン−スピネル相転移：相転移誘起の軟化条件の探索

*久保 友明¹、森山 一哉¹、森 悠一郎¹、今村 公裕¹、小泉 早苗²、西原 遊³、鈴木 昭夫⁴、肥後 祐司⁵、丹下 慶範⁵ (1. 九州大・理、2. 東大・地震研、3. 愛媛大・GRC、4. 東北大・理、5. JASRI)

キーワード：オリビンースピネル相転移、せん断変形、反応誘起の軟化

近年、D-DIA型およびD-111型高圧変形装置の開発により、マントル遷移層から下部マントル最上部条件における定量的な変形実験が可能になった。我々は、それらの高圧変形装置に放射光単色X線およびAE測定を組み合わせて、オリビン−スピネル非平衡相転移が誘起する軟化やせん断不安定化プロセスの解明に取り組んでいる。それは沈み込んだ深部プレート(遷移層スラブ)の力学特性、特に上下マントル境界付近での滞留や深発地震を理解する上で重要なプロセスであると考えている。本発表では、せん断変形場で行っているFe₂SiO₄およびMg₂SiO₄のオリビン−スピネル相転移実験の結果を報告し、相転移が誘起する軟化現象に関して予備的な考察を行う。