一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

講演情報

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R6: 深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー

2019年9月21日(土) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R6P-01] CO2流体の非破壊δ13C測定の向上

「発表賞エントリー」

*横倉 伶奈1、萩原 雄貴1、山本 順司2 (1. 北海道大・院理、2. 北海道大・総合博物館)

キーワード:ラマン分光分析、CO2流体、炭素同位体比、流体包有物

ラマン分光分析は,鉱物粒子中に閉じ込められたCO2流体の炭素同位体比(d13C)を,12CO213CO2のスペクトルピークの強度比またはエリア比を利用し非破壊測定できる可能性を持つ.しかし先行研究においてはピークの位置がずれると同位体比が同じでも著しく測定確度が低下していた(20‰).原因は波数分解能と考察されたが,流体の圧力変化に依存した可能性もある.これらの検証のために,従来の5倍の波数分解能の分光器を使用し流体の圧力を変化させ傾向を観察した.結果圧力と強度比エリア比は負の依存性を示す(図:強度比).ただこの圧力の変化によって12CO2スペクトルのピーク位置が変化する.ピーク位置の変化による確度への影響を検証するため流体の圧力10 MPaで測定中心を左右に1.5 cm-1変化させ測定を行なった.結果,測定中心をずらしても一定の測定中心の繰り返し測定と偏差がほぼ変わらない(強度比: ~7.5‰)ため純粋なピーク位置変化の影響はない.圧力変化による強度比エリア比の変動は同時圧力測定により校正が可能である.よってこの圧力依存性はラマン分光分析による炭素同位体比測定の障害とならない.