一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R6: 深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー

2019年9月21日(土) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R6P-02] 九州に分布する姫島火山群と両子山火山群の第四紀マグマの成因関係の検討

「発表賞エントリー」

*平山 剛大1、柴田 知之1、芳川 雅子1 (1. 広島大学・理学・地惑)

キーワード:姫島火山群、両子山火山群、マグマの成因

姫島火山群は九州国東半島沖合に位置し,デイサイトと流紋岩から構成されている(伊藤,1990).両子山火山群は国東半島主要部を占めており,安山岩・デイサイトから構成されている(松本・成重,1985).伊藤(1989)は,姫島と国東半島を隔てる姫島水道に認められる地形の高まりが姫島火山群に含められる可能性を指摘している.このことから,姫島火山群が両子山火山群とその成因関係も類似している可能性が高いと考えられる.そこで,本研究では両子山火山群・姫島火山群のマグマ進化過程について解析した.
両子山火山群のデイサイトマグマは,脱水流体の付加によるマントルの部分溶融を起源とする由布岳・鶴見岳(Sugimoto et al. 2007)に類似した安山岩・デイサイトと,沈み込むスラブの部分溶融を起源とするデイサイトマグマとの混合によって形成された可能性が高い.姫島火山群のマグマ進化過程は,デイサイト質マグマと,流紋岩質マグマとの混合によって形成されたと考えられる.これらのことから両子山および姫島火山群のマグマ進化過程は異なる可能性を指摘できる.