一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会

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R6: 深成岩・火山岩及びサブダクションファクトリー

2019年9月21日(土) 09:30 〜 17:00 A-プレゼンスペース (イースト1号館)

09:30 〜 17:00

[R6P-09] 北部九州,尺岳閃緑岩体の内部構造

「発表賞エントリー」

*江島 圭祐1、大和田 正明1、亀井 淳志2 (1. 山口大学大学院創成科学研究科、2. 島根大学大学院総合理工学研究科)

キーワード:北部九州花崗岩バソリス、高Mg安山岩/閃緑岩、同化分別結晶作用、定置過程

花崗岩や閃緑岩などの深成岩体はマグマ溜まりの化石と言われ,マグマ溜まりの状態,マグマの挙動および固結時までの活動記録を保存している.白亜紀北部九州花崗岩バソリスの一部を構成する尺岳閃緑岩は高Mg安山岩組成であり,花崗岩類と密接に関連している.また,尺岳閃緑岩は漸移的に岩相の色合い (珪長質〜苦鉄質) が変化している岩石 (サージ) や優黒質なシュリーレンが観察され,貫入境界部では,母岩の脇野亜層群や石灰岩を捕獲岩として包有することもある.そこで,本研究では尺岳閃緑岩のモード組成と全岩化学組成をパラメータとし,内部構造を高度変化と平面変化から検討した.その結果,尺岳閃緑岩体の岩相変化は,主に岩体の三次元的中心部に向かい直方輝石と単斜輝石が取り去られる分別結晶作用が,岩体外縁部(母岩接触域)と岩脈貫入域では液相濃集元素を移動させる同化分別結晶作用や混合作用が起こったと考えられる.一方,尺岳閃緑岩体の定置モデルは野外産状から確認されるサージや優黒質シュリーレンなどの組織からsheet on sheet modelが考えられる.