R8: 変成岩とテクトニクス

[R8P-10] 西南日本九州北部に分布する三郡変成帯結晶片岩の砕屑性ジルコン後背地の多様性

*北野 一平¹、小山内 康人¹、中野 伸彦¹、足立 達朗¹ (1. 九大・比文)

キーワード：結晶片岩、砕屑性ジルコン年代、三郡変成帯、北部九州、西南日本

本研究では、蓮華帯および周防帯が分布する福岡県中央部・南部の砂泥質片岩から、LA-ICP-MSを用いて砕屑性ジルコンの年代測定を行い、原岩の後背地の年代学的特徴を明らかにした。福岡県南部〜熊本県北部の久留米－山鹿地域（周防帯）では、2410–210 Maの年代幅と250–230 Maの年代ピーク、2590–240 Maの年代幅と270–250 Maの年代ピーク、930–240 Maの年代幅と270–250 Maの年代ピークをもつ異なる年代分布が認められた。一方、福岡県中央部篠栗地域では、蓮華帯の試料は2900–280 Maの年代幅と300–280 Ma、440–420 Maの年代ピーク、周防帯の試料は370–240 Maの年代幅と300–280 Maの年代ピークを示した。Tsutsumi et al. (2003, 2011)の報告データを踏まえると、蓮華帯と周防帯の両方で、砕屑性ジルコンの後背地に多様性があることが認識された。