15:20 〜 15:35
[R2-06] Fe,CoおよびNiを含むPentlanditeの陽イオン分布の決定
「発表賞エントリー」
キーワード:ペントランダイト、異常散乱法、陽イオン分布
Pentlanditeは,Fe, CoおよびNiなど原子番号が隣接する元素を含む硫化物である.単位胞中の4個の八面体席(MO)および32個の四面体席(MT)に遷移金属原子が位置した構造を取る.理想的にはM9S8 (M = Fe, Co, Ni)という組成式で表される.このような系における陽イオン分布の決定には,目的元素のシグナルを際立たせる異常散乱(Anomalous X-ray Scattering: AXS)法が強力なツールとなり得る.そこで本研究では,AXS法を用いてpentlanditeのFe, Co, Ni分布の決定を試みた.
試料は長野県天竜鉱山より産出したpentlanditeを使用した.EDSによる組成分析の結果構造モデルをFe4.1Co0.2Ni4.7S8としてAXS解析を行った.解析はFeおよびNi吸収端近傍の異なるエネルギーのX線を用いて行った.
AXS解析により得られた構造因子の差をフーリエ変換して算出した陽イオンコントラストマップから,Feについて,MOおよびMTどちらのサイトにも分布していることが明らかになった.一方Niについては, MT席のみに分布していることが判明した.
試料は長野県天竜鉱山より産出したpentlanditeを使用した.EDSによる組成分析の結果構造モデルをFe4.1Co0.2Ni4.7S8としてAXS解析を行った.解析はFeおよびNi吸収端近傍の異なるエネルギーのX線を用いて行った.
AXS解析により得られた構造因子の差をフーリエ変換して算出した陽イオンコントラストマップから,Feについて,MOおよびMTどちらのサイトにも分布していることが明らかになった.一方Niについては, MT席のみに分布していることが判明した.