一般社団法人日本鉱物科学会2021年年会・総会

講演情報

口頭講演

R7:岩石・鉱物・鉱床 (資源地質 学会 との共催 セッション)

2021年9月18日(土) 09:30 〜 12:15 Zoom Session 3

座長:越後 拓也(秋田大学)、秋澤 紀克(東京大学大気海洋研究所)

10:30 〜 10:45

[R7-05] 前弧域マントルが記録する古溶融イベント

*秋澤 紀克1、石川 晃2、藤田 遼2、石井 輝秋3 (1. 東大・大気海洋研究所、2. 東工大、3. 静岡大)

キーワード:前弧カンラン岩、Re–Os同位体、ボニナイト、昔のマントル溶融、伊豆-小笠原-マリアナ海溝

前弧域では、前弧火成活動に関連しない、より古い溶融イベントを記録したマントルが存在すると報告されている。近年、Os同位体とYbを用いた溶融-年代モデルの適応により、ボニナイトのソースは不均質であり、一部太古代(〜3600 Ma)に溶融したマントルの寄与があると推定された。本研究では、前弧域マントルの溶融時期に関連した不均質性の実態を正確につかむため、伊豆-小笠原-マリアナ海溝の前弧域で採取したカンラン岩の全岩化学組成分析・Re-Os同位体分析を実施した。本研究の結果、カンラン岩のRe枯渇年代は古くとも約750 Maと見積もる事ができた。前弧域のマントルは、溶融時期に関して不均質性があることが明らかになった。しかし、本研究で用いたカンラン岩からは太古代にまで遡る溶融イベントを検出することはできなかった。