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[R2-11] マントル鉱物Ir2S3 kashiniteとRh2S3 bowieiteの合成と 単結晶構造解析
キーワード:Ir2S3 kashinite、Rh2S3 bowieite、単結晶構造解析、Debye 温度、マントル構成鉱物
Ir2S3 kashinite-Rh2S3 bowieiteは連続固溶体を形成し、アクセサリ鉱物としてマントル岩に広く産出する。Lauriteなどの白金族鉱物はマントル岩の分類に役立つが、各鉱物の結晶学的詳細については知られていないことが多い (Arai et al. 1999, Zaccarini et al., 2016)。Rh2S3の構造はParthe et al. (1967)により解析されているがIr2S3の報告は無い。これらはRh2O3の高圧相と同構造である。単結晶構造解析ではDebye-Waller因子からDebye温度θDを見積もることができる。Debye温度は硬度や融点に関連した物質の固有値である。
Ir2S3 kashiniteとRh2S3 bowieiteの端成分単結晶を封入管法により作製し、リガク社製XtaLAB Synergyによる単結晶構造解析を行い, Debye-Waller因子を測定した[1]。kashiniteとbowieiteはいずれも化学組成は単純であるが、複雑な結晶構造を有している(図1)。歪んだ陽イオン八面体は、隣接する八面体と 1 つの面を共有してM2S9 ユニットを形成する。 M2S9 は隣接するユニットと4つのエッジを共有することで (100) に平行なスラブを形作る。精密構造解析により得られたDebye-Waller因子から、Debye温度θDを決定した。中央海嶺下のマグマだまりの底部で形成されたマントル岩に由来した(Osanai et al. 2014)熊本県払川産kashinite-bowieite固溶体についてDebye温度を基に議論する。
Ir2S3 kashiniteとRh2S3 bowieiteの端成分単結晶を封入管法により作製し、リガク社製XtaLAB Synergyによる単結晶構造解析を行い, Debye-Waller因子を測定した[1]。kashiniteとbowieiteはいずれも化学組成は単純であるが、複雑な結晶構造を有している(図1)。歪んだ陽イオン八面体は、隣接する八面体と 1 つの面を共有してM2S9 ユニットを形成する。 M2S9 は隣接するユニットと4つのエッジを共有することで (100) に平行なスラブを形作る。精密構造解析により得られたDebye-Waller因子から、Debye温度θDを決定した。中央海嶺下のマグマだまりの底部で形成されたマントル岩に由来した(Osanai et al. 2014)熊本県払川産kashinite-bowieite固溶体についてDebye温度を基に議論する。