The 27th Annual Conference of the Japan Academy of Nursing Administration and Policies

Presentation information

パネルディスカッション

[PD5] パネルディスカッション 5
精神保健福祉法改正の今こそ考える!人権擁護者としての看護職のあり方

Sat. Aug 26, 2023 1:30 PM - 2:50 PM 第2会場 (7F ホールB7-1)

座長:井部 俊子(株式会社井部看護管理研究所代表), 小玉 淑巨(北里大学看護学部)

[PD5-] 企画趣旨

 看護職者は患者の生命及び人権の尊重を常に守る立場にあります。しかし、昨今のテレビ等のニュースで流れる看護職員による入院患者への暴力等の虐待に関する報道は、私たち看護職の基本である患者の人権を擁護する者としての在り方を、考えさせる機会となりました。なぜ、患者を守る立場である看護職者による患者への暴力が起きるのか、患者の人権が損なわれるような身体的な拘束や隔離が行われるのか、治療や転倒・転落防止のためには仕方のないこととされるのか、もう一度看護の基本である人権擁護者として何を考え何ができるのか、何をすべきなのかを考えていく必要があります。
 令和4年12月精神福祉法改正がされ、虐待防止に関わる取り組みとして、より良質な精神科医療を提供することができるような組織への改革、不適切な隔離や身体的拘束ゼロを含む最小化の実現に関わる施行が令和6年4月に予定されています。医療機関の管理者は、精神保健法改正以前から身体的拘束や隔離の削減に取り組みたい、もしくはすでに取り組んでいるにもかかわらず、思うように進まない現実に困難を抱えていました。 
 このような状況を踏まえ、パネルディスカッションでは、「精神保健福祉法改正の今こそ考える!人権擁護者としての看護職のあり方」というテーマを設定しました。パネリストとして、厚生労働省看護技官:関根小乃枝氏から政策立案を担う立場として精神福祉法の改正の概要と看護職に期待する活動、延命法律事務所所長:延命政之氏には弁護士として、法律の視点から人権擁護を解説いただきます。また、病院長および研究者として身体拘束ゼロに取り組んでおられる沼津中央病院院長:杉山直也氏には身体拘束ゼロとする取り組みの実例、内田病院看護部長:小池京子氏からは、看護部長として患者の行動制限最小化等の取り組むについてお話頂きます。4名のパネリストにご登壇頂くことで、医療機関のみならず行政や法律の視点から患者の人権擁護を捉え、看護職が患者の人権をどのように擁護しながら看護を行っていくのかを考えたいと思います。
 会場のみなさまと活発な議論、意見交換ができることを期待しております。