第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:口演発表

一般口演 骨1

2023年9月18日(月) 08:30 〜 09:30 E会場 (441講義室(4号館4F))

座長:坂東 康彦(明海大 歯 組織)

09:20 〜 09:30

[O3-E-AM1-06] マウス骨端板におけるseptoclast、ペリサイト、血管内皮細胞のインテグリンの発現と細胞外マトリックスの接着

〇坂東 康彦1、長坂 新1、﨑山 浩司2、天野 修1 (1. 明海大 歯 組織、2. 明海大 歯 解剖)

キーワード:septoclast、骨端板、細胞外マトリックス

【目的】septoclastは長管骨骨端板の骨軟骨境界部で成長性の毛細血管に隣接して存在し、非石灰化軟骨基質の吸収に関与すると考えられている。我々はこれまでにseptoclastが毛細血管内皮細胞周囲のペリサイトに由来し、表皮型脂肪酸結合タンパク(E-FABP)を特異的に発現することを報告した。septoclastの骨端板吸収にはseptoclastばかりでなくペリサイトや隣接する毛細血管内皮細胞も関与すると考えられる。そこで今回我々はこれらの細胞とその周囲の骨端板および基底膜中の細胞外マトリックス(ECM)との接着に着目し、マウス脛骨近位骨端板の骨軟骨境界部と骨幹端部において、細胞とECMの位置的関連と細胞内のECM受容体であるインテグリンの発現を免疫組織化学的に調べ、骨端板軟骨吸収における意義を考察した。【結果と考察】septocalstの突起の先端が達する非石灰化軟骨基質である横隔と細胞体から伸びた短い棘状の突出が付着する石灰化軟骨基質である縦隔にはコラーゲン-II/-Xが豊富に含まれていた。基底膜に含まれるコラーゲンIVとラミニンα4の染色から、骨軟骨境界部ではseptoclastと血管内皮細胞の間の基底膜はまばらにみられ、骨幹端部ではペリサイトと血管内皮細胞の間には連続した基底膜が観察されたがペリサイトの周囲を覆っていなかった。インテグリンα1/α2、インテグリンα1、インテグリンα2/α6が、それぞれseptoclast、ペリサイト、血管内皮細胞の細胞膜に局在していた。 これらの結果から、septoclastと軟骨基質のインテグリンα2とコラーゲン-II/-Xを介する接着、基底膜とペリサイトまたは血管内皮細胞のインテグリンα1とコラーゲン-IV、インテグリンα2/α6とラミニンを介する接着により軟骨吸収と細胞移動の足場が形成されることが示唆された。