第65回歯科基礎医学会学術大会

講演情報

一般演題:ポスター発表

ポスター展示

2023年9月18日(月) 08:30 〜 15:50 ポスター会場 (131講義室(本館3F))

[P3-3-25] マクロファージにおけるTREM2を介したLPS誘導性ケモカイン発現

〇坂東 健二郎1、福田 正勝1、藤本 健吾2 (1. 明海大 歯 生化、2. 明海大 歯 基礎化学)

キーワード:TREM2、LPS、CXCL10

免疫受容体 TREM2 (Triggering receptor expressed on myeloid cells 2) はマクロファージやミクログリアの細胞膜に発現している。TREM2の機能の一つとして、LPS (Lipopolysaccharide) 受容体である TLR4 (Toll-like receptor 4) のシグナルを調節している事が知られているが、Trem2遺伝子をノックアウトまたはノックダウンした細胞ではLPS-TLR4のシグナルが促進されるという報告と抑制されるという報告がある。そこで、今回、マウスマクロファージ細胞株であるRAW264.7細胞とマウス腹腔マクロファージのTrem2遺伝子をsiRNAでノックダウンし、LPS誘導性のケモカインの発現への影響を解析した。 RAW264.7細胞のTrem2のノックダウンにより、Ccl2 (CC chemokine ligand 2), Ccl4, Ccl5, Cxcl10 (CXC chemokine ligand 10)およびCxcl11のLPSによる発現の誘導が抑制された。さらに、LPSと刺激時にTREM2の細胞外領域の組み換え体タンパク質 (rsTREM2) を同時に添加したところ、Trem2のsiRNAで抑制された5つのケモカインのうち、Cxcl10Cxcl11の発現はrsTREM2により一部でレスキューされた。 今回のこれらの結果は、マクロファージにおいてLPS-TLR4シグナルの一部は細胞膜から遊離したTREM2を介しており、Cxcl10Cxcl11は遊離型TREM2依存的に発現することを示唆している。