The 67th Annual Meeting of the Japanese Association of School Health

Presentation information

一般演題

オンデマンドプログラム » 一般演題

安全,危機管理1(OP-1401~1405)

渡邉正樹(東京学芸大学)

[OP-1404] 大学生の水難事故時の対応と着衣水泳学習について

中尾有子, 中川麻衣子 (川崎医療福祉大学 医療技術学部 健康体育学科)

【目的】大学生が水難事故に遭遇した場合の対応と着衣水泳学習の経験を調査しヘルスプロモーションの観点から考察した.【方法】福祉系大学の学生400名に質問紙調査を実施した.質問内容は要救助者・バイスタンダーとなった場合の対応,また,着衣水泳学習の経験と内容,水難に関する10の正誤質問だった.【結果及び考察】有効回答数(率)は350人(87.5%).要救助者に求められる自助は,呼吸を確保し仰向けで浮く,背浮の体勢で靴を浮き具代わりにする,抵抗せずにつかまれる物に遭遇するまで流されることである.以上3つを同順で選択したのは1人だった.バイスタンダーに求められる共助は,浮くように指示する,119番通報をする,浮く物を投げるである.以上3つを同順で選択したのは2人だった.84.6%が学習経験があり,「服を着た状態で浮く」,「ペットボトルで浮く」,「靴で浮く」,「服を使って浮く」,「立泳ぎ」を学んでいた.服を使っての浮きと立泳ぎは身体が沈む可能性があり危険な場合がある.正誤質問では「溺水時は必ず服を脱いで浮き具にする(不正解)」,「着衣状態の溺水では浮き身さえできれば助かる(正解)」で正解率が6割以下だった.正しい内容が指導され浸透しているが,命を危険にさらす内容も指導されている可能性がある.【まとめ】学校での着衣水泳学習は8割以上行われているが推奨される対応を選択した者はわずかだった.