the 35th JASID Annual Conference and the 14th JAHSS Annual Conference

Presentation information

Oral presentation

International Order and Human Security in Asia and Africa

Sun. Nov 10, 2024 9:30 AM - 11:30 AM F308 (Fujimizaka Campus 308)

Chair: Hazuki SASAKI(Kanazawa University)

Commentators: Hazuki SASAKI(Kanazawa University), Kyoko CROSS(Kyoto Sangyo University)

11:00 AM - 11:30 AM

[2G204] The Role of the Monitoring Mechanism in the Implementation of the Peace Agreement for Relational Transformation: A Case Study on Pre-Independence Sudan

*CHIKA ONAKA1 (1. Saitama University)

Keywords:peace-building, conflict transformation, relational transformation, peace agreement, South Sudan

近年、平和構築、紛争解決分野における研究において、紛争当事者の関係性と関係性の変容(relational transformation)に注目する研究群が起こされている。それは、和平(停戦)合意が締結されても、実際の履行にあたっては、紛争当事者間の関係性を通して、アイデンティティーや承認の問題、権力や支配、構造的問題といった水面化の課題が表出され、和平プロセスの進展に影響を与える場面が多々あること、和平プロセスの進展においては、制度の整備を含む構造面からの働きかけと同時に、紛争当事者間の関係性への働きかけが欠かせない「柱」であるとの理解が広がっていることによる。
 和平合意はその後の紛争当事者間の関係性を規定しうる大事な枠組みとなるが、南北スーダン間の内戦に停戦をもたらした包括和平合意(CPA)を例にとっても、関係性への取り組みに関しては治安条項や権限移譲ほど明確な規定はない。本発表が検証するのは、南北スーダン間では、和平合意の枠組みを通して、独立までの約6年間の間に関係性の変容に向けたどのような取り組みが規定され、なされたのか?という問いである。
 その検証のために、本発表おいては、独立前の南スーダンにおいて、紛争当事者が定期的に集い、国連を仲介者として履行状況を報告し、双方に発言の場が与えられたCJMC等の和平合意履行監視メカニズムを事例として取り上げる。まず、紛争変容の四点ー(1) 構造的、(2)個人の成長と潜在能力の発揮、(3)関係性・権力関係、(4)文化的側面ーから、CPAの履行を整理した上で、CJMCを通して見られた紛争当事者間の関係性の特徴と変化を検証する。
 最後に、関係変容に向けたプロセスを理解することの重要性が指摘されると同時に、和平合意の設計において紛争当事者間の信頼醸成等、関係性の向上を見据えた規定を取り込むことの重要性が示唆される。

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